選び方・調理法
選び方
果皮に張りがあり、表面の凸凹(油胞)がはっきりとしていて香りが強いもの。持った時に重みがあるものは果汁が豊富。皮がブカブカと浮いている「浮き皮」の状態や、茶色い斑点(かいよう病跡など)が広範にあるものは避けるが、多少の傷は無農薬や自然栽培の証左でもある。
下処理
表皮を丁寧に水洗いする。芳香成分の多くは皮の黄色い部分(フラベド)に含まれるため、香りを活かす場合は表面のみを薄く削ぐ。白い綿の部分(アルベド)は苦味が強いため、用途に応じて取り除く。果汁を絞る際は、横半分に切って種を除いてから絞る。
保存方法
乾燥に弱いため、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すれば2〜3週間は鮮度が保てる。長期保存する場合は、皮を千切りや摺り下ろしにしてラップに包むか、果汁を絞って製氷皿などで凍らせて冷凍保存するのが効率的である。
時期・特徴
国内分布
高知県(全国シェアの約半分)、徳島県、愛媛県などの四国地方を中心に、宮崎県、大分県、埼玉県など各地で栽培されている。
時期
7月〜10月頃に出回る未熟果の「青ゆず」と、11月〜1月頃に熟して黄色くなった「黄ゆず」がある。鍋物や冬至の需要に合わせて12月に出荷のピークを迎える。
栄養
果汁にはクエン酸、皮にはレモンの約3倍とされるビタミンCが含まれる。皮の精油成分であるリモネンはリラックス効果や血行促進に寄与し、黄色い色素成分であるヘスペリジン(ビタミンP)は毛細血管を丈夫にする働きがあるとされる。
特徴
日本を代表する香酸柑橘。寒さに強く、柑橘類の中では珍しく東北地方まで栽培が可能。独特の爽やかな芳香と強い酸味が特徴で、生食よりも調味料や薬味として重宝される。樹木には鋭い棘があり、収穫には注意を要する。
品種・由来
- 品種名:木守、山根系、多田錦(種なし)、獅子ゆず(※分類上はブンタンの近縁)
- 分類:ミカン科ミカン属
- 学名:Citrus junos
由来
中国語で本種を指す「柚(ユウ)」に、実を意味する「子(ス)」が付いた「柚子」の読みが転じたとされる。
伝来
原産地は中国の長江上流地域。日本への伝来は古く、飛鳥時代から奈良時代頃には朝鮮半島を経由して渡来していたと考えられている。
歴史背景
『続日本紀』(797年)に栽培の記録が残るほど古くから日本人に親しまれてきた。「桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年」という言葉があるように、種から育てると結実まで長い年月を要する(現在は接木栽培が主流)。冬至にゆず湯に入る習慣は、江戸時代の銭湯から始まったとされる「一陽来復」を願う禊(みそぎ)の儀式の名残である。
備考
近年ではフランス料理をはじめとする欧州のシェフからも「YUZU」として高く評価され、ソースやデザート、カクテル、フレグランスの原料として国際的な知名度が高まっている。

