ヒシ(菱)

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選び方・調理法

選び方

生の実であれば、殻に艶があり、ずっしりと重みがあるものを選ぶ。殻にひび割れがあったり、軽すぎるものは中身が萎縮している可能性があるため避ける。

下処理

殻に付着した泥をよく洗い落とし、アクを除くため2時間から一晩程度水にさらす。塩を加えたたっぷりの湯で20〜30分ほど茹で、熱いうちにハサミや包丁で殻に切り目を入れ、中の白い「仁(子葉)」を取り出す。

保存方法

生の状態では乾燥しやすく傷みが早いため、湿らせた新聞紙に包んで冷蔵保存し、数日以内に使い切る。長期保存する場合は、硬めに茹でて殻をむき、冷凍保存する。乾燥させた実は、湿気を避けて密閉容器で保存する。

時期・特徴

国内分布

日本各地の池や沼、河川に自生。食用としての栽培は、福岡県(筑後川流域)や佐賀県(クリーク地帯)などの九州北部が中心である。

時期

収穫期は9月中旬〜11月中旬頃。秋の味覚としてこの時期のみ生の実が流通する。

栄養

主成分はデンプンで、植物性タンパク質も含む。カリウム、マグネシウム、リンなどのミネラルや、ビタミンB1、B2、Cを豊富に含み、薬膳では健胃・滋養強壮に良いとされる。

特徴

水面に浮葉を広げる一年生の浮葉植物の実。熟すと水底に沈む。鋭い刺(とげ)を持つ非常に硬い殻に包まれている。加熱すると、短時間ではシャキシャキとしたクワイのような食感、十分に加熱すると栗や里芋に似たホクホクとした食感と、ほのかな甘みが楽しめる。

品種・由来

  • 品種名:ヒシ、オニビシ、ヒメビシ、トウビシ(唐菱)
  • 分類:ミソハギ科(旧ヒシ科)ヒシ属
  • 学名:Trapa japonica Flerow

由来

図形の「菱形(ひしがた)」の語源とされる。葉の形状が菱形であること、あるいは実の形(特にトウビシなど)が菱形をしていることに由来するという諸説がある。

伝来

日本在来種であり、古くから各地の水辺に自生していた。現在、食用栽培の主流となっている大粒の「トウビシ」は、明治時代に中国から導入されたものである。

歴史背景

万葉集にも詠まれており、縄文時代の遺跡からも多くの貯蔵跡が見つかっている。古来、救荒食物として、あるいは秋の季節を告げる重要な野生食用資源として親しまれてきた。武田信玄が使用したことで知られる「撒菱(まきびし)」は、本種の鋭い刺を持つ殻を乾燥させたものである。

備考

佐賀県神埼市などでは、特産品としてヒシの実の皮をお茶にした「ひし茶」や、焼酎の原料としても活用されている。

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