ハチの子

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選び方・調理法

選び方

生で流通するものは少なく希少だが、選ぶ際は乳白色でふっくらと張りがあり、黒ずみや異臭がないものが新鮮とされる。一般的には、市販の瓶詰や缶詰などの加工品を利用することが多い。

下処理

生の巣盤から採取する場合、ピンセットなどで幼虫やサナギを潰さないように一匹ずつ丁寧に取り出し、付着しているゴミやフンを取り除く。その後、熱湯でさっと茹でてアクを抜くのが一般的である。成虫が混ざっている場合、針に毒が残っている可能性があるため、針を取り除くか、しっかりと加熱・粉砕するなどの配慮が必要とされる。

保存方法

生のままでは傷みやすいため、下茹でしてから水気を切り、小分けにして冷凍保存するのが一般的。瓶詰や缶詰などの加工品は、開封前であれば冷暗所で常温保存可能だが、開封後は冷蔵庫で保存し、速やかに消費する。

時期・特徴

国内分布

主に長野県、岐阜県、愛知県、静岡県、山梨県、栃木県など、内陸の山間部を中心に流通・消費される。

時期

地中の巣が大きくなり、幼虫やサナギが充実する秋(9月〜11月頃)が最盛期とされる。加工品は通年流通している。

栄養

良質なタンパク質や脂質、炭水化物を豊富に含む。また、各種アミノ酸、ミネラル(鉄、亜鉛など)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンDなど)もバランスよく含まれ、古くから滋養強壮に良い食材とされる。

特徴

食用とされるのは、主にクロスズメバチ(およびシダクロスズメバチ)の幼虫、サナギ、羽化直後の新成虫である。地域によってはオオスズメバチやキイロスズメバチ、ミツバチなどが利用されることもある。クリーミーで濃厚な旨味と、ナッツのような特有の風味を持つ。甘辛く煮た佃煮や甘露煮、素揚げ、油炒めのほか、ご飯に混ぜ込む「ヘボ飯(炊き込みご飯)」などに調理される。

※ハチ毒アレルギーや甲殻類アレルギーを持つ人は、アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応を起こすリスクがあるため、喫食には十分な注意が必要とされる。

品種・由来

  • 品種名:ハチの子(クロスズメバチなど)
  • 分類:昆虫綱ハチ目(膜翅目)スズメバチ科
  • 学名:Vespula flaviceps(クロスズメバチとして)

由来

ハチ(蜂)の幼虫(子)であることから。地方名(別名)の「ヘボ」は、ハチが小さく弱々しい様や、飛ぶ際の羽音などに由来するとされるが諸説ある。「ジバチ(地蜂)」は、土の中に巣を作る習性に由来する。「スガレ」は古語でハチや昆虫を意味する言葉とされる。

伝来

明確な伝来時期はないが、日本では古くから山間部における貴重な動物性タンパク源として、昆虫食文化の中で自然発生的に受け継がれてきた。

歴史背景

海から遠く、新鮮な魚介類を入手しにくかった長野県(伊那・諏訪地方など)や岐阜県(東濃地方など)を中心とする内陸部で、秋の味覚や行事食として伝統的に珍重されてきた。目印をつけた餌を働きバチに運ばせて巣の場所を特定する「ヘボ追い(スガレ追い)」という伝統的な採集法が、現在も一部地域で受け継がれている。

備考

近年では自然環境の変化や採集者の高齢化により漁獲量が減少し、高級珍味として扱われることが多い。缶詰や瓶詰として商品化され、特産品・土産物として流通している。

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