選び方・調理法
選び方
脂肪部分が白またはきれいな薄ピンク色をしており、ツヤと張りのあるものを選ぶ。黄色く変色していたり、ドリップ(肉汁)が赤黒く滲み出ているものは鮮度が落ちているため避ける。異臭がなく、夾雑物(汚れ)が付着していないものが良質とされる。
下処理
かつては内側の脂肪を取り除くこともあったが、現在は脂の旨味を活かす調理が主流である。粗塩や小麦粉を揉み込んで表面のヌメリや汚れを吸着させ、流水で丁寧に洗い流す。その後、ネギの青い部分や生姜などの香味野菜を加えた熱湯で下茹で(茹でこぼし)を行い、特有の臭みを取り除く。煮込み料理用なら長めに、焼肉用ならサッと茹でるなど、用途に合わせて茹で時間を調整する。市販のボイル済み(茹で済み)製品の場合は、調理前に熱湯をかける(霜降り)程度でよいとされる。
保存方法
内臓肉の中でも特に水分と脂質が多く、鮮度劣化が非常に早いため、購入当日の消費が望ましい。保存する場合は下茹でを済ませ、水気をよく切ってから密閉容器に入れ、チルド室などの低温で保存する。冷凍する場合は、下処理後に小分けにして急速冷凍する。
時期・特徴
国内分布
全国。特に「もつ鍋」の食文化が根付いている福岡県(博多)をはじめ、全国の焼肉店やもつ焼き店で広く消費される。
時期
通年。
栄養
脂質が非常に多く、高カロリーである。コラーゲンを豊富に含むとされるほか、タンパク質、ビタミンB12などのビタミンB群、鉄分や亜鉛などのミネラル類も含まれる。
特徴
牛の小腸部分。大腸(シマチョウ)と比較して腸壁が細く薄いが、外側にたっぷりと脂肪がついているのが特徴。この豊富な脂肪部分に濃厚な甘みと旨味がある。焼肉(ホルモン焼き)やもつ鍋、煮込み料理などに広く利用される。腸管を切り開かずに裏返し、脂を内側に閉じ込めた状態で筒状にカットされたものは「マルチョウ(丸腸)」と呼ばれる。茹でてぶつ切りにしたものが、大腸など他の部位と合わせて「モツ(白モツ)」として販売されることも多い。
品種・由来
- 品種名:ヒモ(小腸)
- 分類:牛内臓肉(副生物)
- 学名:Bos taurus(牛として)
由来
「ヒモ」は、管状で細長く、紐のように見える形状に由来する。「コプチャン」は韓国語で小腸を指す言葉(곱창)に由来する。また、関西地方などで使われる「ホソ」という呼称も、その細い形状からきているとされる。
伝来
日本国内で広く食用とされるようになったのは、戦後の焼肉・ホルモン焼き文化の発展に伴うところが大きい。
歴史背景
かつては「放るもん(捨てるもの)」として廃棄されたり、肥料として扱われることが多かった部位だが、戦後の食糧難の時代に、在日韓国・朝鮮人の食文化を中心に重宝され、次第に一般化した。さらに1990年代の「もつ鍋ブーム」によって脂の乗った牛小腸の需要が全国的に急増し、現在では焼肉や鍋物に欠かせない人気部位として定着している。
備考
部位の別名として「マルチョウ(丸腸)」「コプチャン」「ホソ」などがある。(※「こてっちゃん」はエスフーズ株式会社の味付け加工肉の登録商標であるが、一般名詞のように味付けされた腸肉全般を指して呼ばれることがあるため、混同に注意が必要とされる)。

