煎茶

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選び方・調理法

選び方

茶葉が針のように細く尖って美しくよじれ、手にした時にずっしりと重みを感じるものを選ぶ。色は鮮やかな深い緑色で、つやがあるものが上質とされる。古い茶葉は黄色みを帯び、香りが弱くなるため避ける。また、新茶(一番茶)は特に香りが強く、二番茶、三番茶と進むにつれて渋みが増す傾向にある。

下処理

「煎じ出す」のではなく、急須で「蒸らして」抽出する。湯の温度は、上質な煎茶であれば70〜80℃前後、並級のものであれば80〜90℃前後が適温とされる。低温で淹れると旨味成分のテアニンが際立ち、高温では渋味成分のカテキンが強く抽出される。注ぐ際は、数回に分けて各湯飲みの濃度が均一になるよう「回し注ぎ」をし、成分の変化を防ぐため最後の一滴まで絞りきることが重要である。

保存方法

湿気、酸素、光(紫外線)、高温、におい移りに極めて弱いため、遮光性のある気密容器(茶缶など)に入れ、冷暗所で保存する。未開封の長期保存には冷蔵・冷凍が適しているが、使用の際は必ず常温に戻してから開封する。冷えたまま開封すると結露により茶葉が湿気、風味が著しく損なわれる。

時期・特徴

国内分布

主な産地は静岡県(静岡茶)、鹿児島県(鹿児島茶)、三重県(伊勢茶)、京都府(宇治茶)、福岡県(八女茶)、埼玉県(狭山茶)など。北限は秋田県や岩手県とされるが、商業的な大規模栽培は新潟県や茨城県以南で盛んである。

時期

その年の最初に摘み取られる「一番茶(新茶)」は4月中旬から5月にかけて出回る。その後、45〜50日間隔で二番茶(6月〜7月)、三番茶(7月〜8月)と収穫が続く。地域によっては秋冬番茶が収穫されることもある。

栄養

抗酸化作用や殺菌作用を持つカテキン、リラックス効果のあるテアニン、カフェインを豊富に含む。また、緑茶の中ではビタミンC含有量がトップクラスであり、茶に含まれるビタミンCは熱に強く壊れにくいという特徴がある。ただし、浸出液(飲み物)として摂取できるのは水溶性成分のみであり、食物繊維やβ-カロテン、ビタミンEなどは茶殻に残るため、茶葉を細かくして丸ごと摂取する方法も普及している。

特徴

日本の緑茶生産量の約8割を占める代表的な不発酵茶。日光を浴びて育った新芽を蒸して酸化酵素を失活させ、揉みながら乾燥させる「青製煎茶製法」で作られる。適度な渋みと爽やかな香り、すっきりとした後味が特徴。蒸し時間の長いものは「深蒸し煎茶」と呼ばれ、形状は細かくなるが、濃厚なコクと鮮やかな緑色の水色(すいしょく)が楽しめる。

品種・由来

  • 品種名:やぶきた(国内シェア約7割)、ゆたかみどり、さえみどり、あさつゆ
  • 分類:ツバキ科チャ属
  • 学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze

由来

茶葉を湯で煮出す「煎じる」という飲用形態に由来する。江戸時代以前は、茶葉を煮出して赤黒い液を飲む方法が一般的であった。

伝来

茶自体は平安時代初期に最澄や空海ら僧侶によって中国(唐)から持ち込まれたとされる。鎌倉時代に栄西が種を持ち帰り、喫茶の習慣が広まった。

歴史背景

現在の煎茶の主流である「青製(あおせい)」の製法は、1738年(元文3年)に山城国(現在の京都府)の永谷宗円によって確立された。それまでの茶は茶色く品質が不安定であったが、宗円が「蒸して揉む」手法を編み出したことで、鮮やかな緑色と芳醇な香りを持つ煎茶が誕生した。これが江戸の商人を通じて全国に広まり、庶民の嗜好品として定着した。

備考

原産地:中国南西部

外国語名:Sencha (英), green tea (英), 煎茶(中)

原材料名:茶(不発酵茶)

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