ランイチ(ランプ・イチボ)

# ランイチ(ランプ・イチボ) Rump and Ichibo (Aitchbone / Top Sirloin Cap)

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選び方・調理法

選び方

肉の色が深みのある鮮紅色で、ツヤがあるものを選ぶ。ランプは赤身が中心だが、イチボなど霜降り(サシ)が入る部分は、脂肪が濁りのない乳白色で、細かく均一に入っているものが良質とされる。ドリップ(肉汁)が出ておらず、表面が乾燥していないかを確認する。

下処理

ブロック肉で扱う場合、表面に硬い筋(シルバースキン)や厚い脂肪がついていることがあるため、包丁で丁寧に取り除く。ステーキやローストビーフなど厚切りで調理する際は、加熱ムラや生焼けを防ぐため、焼く30分〜1時間程度前に冷蔵庫から出し、肉の温度を常温に戻しておくことが推奨される。

保存方法

空気に触れると乾燥や酸化が進むため、表面の水分(ドリップ)をペーパータオル等で拭き取り、ラップで密閉してチルド室などの低温で保存する。すぐに消費しない場合は、1回分ずつ小分けにして急速冷凍する。

時期・特徴

国内分布

全国。黒毛和牛などの国産牛のほか、アメリカ産やオーストラリア産などの輸入牛肉も広く流通している。

時期

通年。

栄養

良質なタンパク質を豊富に含む。ランプは牛肉の部位の中でも比較的脂質が少なくヘルシーで、鉄分(ヘム鉄)やビタミンB群が多い。イチボはランプに比べて脂質(サシ)が入りやすく、カロリーはやや高めになる。

特徴

牛の腰からお尻にかけての部位(もも肉の一部)。サーロインに続く部分が「ランプ」で、もも肉の中では最もきめ細かく軟らかな赤身肉であり、クセのない上品な味が特徴とされる。さらに下部(お尻の先)の骨盤周りの部分が「イチボ」で、運動量が多い部位であるため肉の旨味が濃く、ランプよりも霜降りが入りやすいのが特徴。食肉流通の段階では両者を合わせて「ランイチ」と総称されるブロックで扱われることが多い。ステーキ、ローストビーフ、焼肉、タタキなど、肉本来の旨味を直接味わう料理に最適とされる。

品種・由来

  • 品種名:ランイチ(黒毛和種、交雑種、ホルスタイン種、アンガス種など)
  • 分類:哺乳綱 偶蹄目(鯨偶蹄目)ウシ科 ウシ属(牛肉もも肉類)
  • 学名:Bos taurus(牛として)

由来

「ランプ」は英語でお尻を意味する「Rump」に由来する。「イチボ」は、お尻の骨格である坐骨を英語で「Aitchbone(エイチボーン)」と呼ぶことから、それが訛って「イチボ」と呼ばれるようになったとされる(諸説あり)。「ランイチ」は両部位の名称を組み合わせた食肉業界用語である。

伝来

日本国内における牛肉食文化は明治時代の文明開化以降に本格的に広まったが、部位を細かく分割・呼称して食す文化は、戦後の焼肉文化の浸透やグルメブームとともに発展したとされる。

歴史背景

かつては大きな塊のまま「もも肉」として大まかに分類・販売されることが多かったが、近年の焼肉ブームや赤身肉ブーム、食肉加工技術の向上により、「ランプ」「イチボ」といった希少部位として細分化され、それぞれの肉質を活かした提供が一般化した。

備考

英語圏の部位分割図では、おおむねランプ周辺を「Rump」や「Top sirloin」、イチボ周辺を「Aitchbone」や「Top sirloin cap」などと呼ぶ。特にイチボは、ブラジル式のバーベキュー(シュラスコ)において「ピカンニャ(Picanha)」と呼ばれ、最も人気の高い部位として重宝される。1頭から取れる量が限られているため、高級な希少部位として扱われることが多い。

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