選び方・調理法
選び方
皮の表面になめらかな張りがあり、ヘタが緑色で新鮮なもの。手に持ったときにずっしりと重みを感じるものは、果汁を保持しており良質。皮が厚い果実のため、軽すぎるものは果肉の乾燥やス(空洞)が入っている可能性がある。表面に多少の傷があっても味には影響しないが、全体にシワが寄っているものは避ける。
下処理
外皮が非常に厚いため、上下を切り落としてから側面にナイフで数箇所切れ目を入れると剥きやすい。じょうのう膜(内皮)は厚く、苦味があるため、一房ずつ取り出して果肉のみを食すのが一般的。果肉は粒立ちがよく、手でほぐしても形が崩れにくい。
保存方法
保存性が極めて高く、風通しのよい冷暗所で常温保存が可能。収穫直後で酸味が強い場合は、常温で1〜2週間置くことで「追熟」し、酸が抜けて甘みが引き立つ。乾燥を防ぐため、長期保存やカットしたものはラップで包み冷蔵庫で保管する。
時期・特徴
国内分布
高知県が全国シェアの約9割を占める最大の産地(土佐文旦など)。次いで鹿児島県(サボン、晩白柚)、熊本県(晩白柚)などで栽培されている。
時期
12月頃から収穫が始まるが、数ヶ月貯蔵して酸味を抜くため、市場に出回る最盛期は2月〜4月頃。品種やハウス栽培により12月〜5月頃まで流通する。
栄養
ビタミンCが豊富に含まれ、風邪予防や肌の健康維持に役立つ。柑橘特有の苦味成分「リモノイド」には抗がん作用やリラックス効果があると言われる。また、カリウムを含み、むくみの解消にも寄与する。
特徴
柑橘類の中でも最大級の大きさを持ち、特に「晩白柚(ばんぺいゆ)」は直径20cmを超えることもある。果肉は結晶状でしっかりとした歯ごたえがあり、ベタつかず爽やかな甘酸っぱさが特徴。香りが非常に強く、部屋に置いて芳香を楽しむこともできる。
品種・由来
- 品種名・分類・学名
- 品種名:
土佐文旦:高知県の代表種。香り高く食味に優れる。
晩白柚:熊本県特産の巨大品種。世界最大級の柑橘。
平戸文旦:長崎県平戸市原産の自然交雑種。
紅まどか:果肉が赤みを帯びる品種。
河内晩柑:外見は似るが、分類上は文旦の血を引く偶然実生とされる。
- 分類:ミカン科ミカン属
- 学名:Citrus maxima (Burm.) Merr.
由来
諸説あるが、17世紀頃に清の商船船長「謝文旦(しゃぶんたん)」が現在の鹿児島県付近に漂着した際、助けられたお礼に贈った果実が広まったという説が有力。別名の「ザボン」は、ポルトガル語の「zamboa(ザンボア)」が転じたものとされる。
伝来
江戸時代初期に東南アジアや中国から九州地方へ伝来したとされる。その後、各地で自然交雑や選抜を繰り返し、日本独自の品種が定着した。
歴史背景
古くから九州や四国の温暖な海岸地域で栽培されてきた。厚い皮を利用した「ボンタン漬(砂糖漬け)」は、江戸時代から続く伝統的な保存食・菓子として知られ、現在も鹿児島県の特産品として親しまれている。
備考
文旦はグレープフルーツの交配親の一つであり、特有の苦味成分(ナリンギン等)を含むため、一部の医薬品(血圧降下剤など)との飲み合わせには注意が必要とされる。
厚い外皮は、お風呂に入れる「柚子湯」のように「文旦湯」として香りを楽しむ利用法もある。

