選び方・調理法
選び方
生鮮品(フレッシュ)は、カサに張りと厚みがあり、虫食いがないものを選ぶ。カサの裏側のスポンジ状の部分(管孔)が白から薄い黄色で、詰まっているものが新鮮。ここが緑色や暗褐色に変わっているものは熟成が進みすぎている。乾燥品は、色が明るく、香りが強く立ち上るもの、欠けの少ないものを選ぶ。
下処理
生鮮品は水洗いを避け、汚れは湿らせた布やブラシで丁寧に取り除く。特に根元の石づき部分は硬いため薄く削り取る。乾燥品は、少量のぬるま湯で20〜30分ほどかけて戻す。戻し汁には濃厚な旨味と香りが溶け出しているため、砂などを濾した上でソースやリゾットの出汁として必ず活用する。
保存方法
生鮮品は傷みが非常に早いため、キッチンペーパーに包んで冷蔵保存し、2日以内に使い切る。使い切れない場合は薄切りにして冷凍する。乾燥品は吸湿すると香りが変質するため、乾燥剤と共に密閉容器に入れ、冷暗所で保存する。
時期・特徴
国内分布
主な輸入元はイタリア、フランス、スルー、南アフリカなどのほか、近年は中国(雲南省など)からの輸入も多い。日本国内では近縁種の「ヤマドリタケモドキ」が全国の広葉樹林に自生し、愛好家の間では食用とされるが、商業的な大規模流通には至っていない。
時期
ヨーロッパ産の生鮮品は主に秋(9月〜11月頃)に出回るが、南半球産などの輸入により春に入荷することもある。乾燥品や冷凍品は通年流通している。
栄養
カリウム、ビタミンD、ビタミンB群、ナイアシンを豊富に含む。特にエルゴステロール(ビタミンDの前駆体)が多く、天日干しの乾燥品にすることでビタミンD含有量が高まる。また、旨味成分であるグアニル酸やグルタミン酸が非常に豊富である。
特徴
「キノコの王様」と称され、芳醇な香りと力強い旨味、ナッツのようなコクのある味わいが特徴。イグチ科特有の管孔(カサの裏のスポンジ状組織)を持ち、加熱すると滑らかな質感に変化する。生ではシャキッとした歯ごたえがあり、乾燥させると香りがより凝縮される性質を持つ。
品種・由来
品種情報
- 品種名:ヤマドリタケ(ポルチーニ)、ヤマドリタケモドキ、ムラサキヤマドリタケ
- 分類:イグチ科ヤマドリタケ属
- 学名:Boletus edulis(ヤマドリタケ)
由来
イタリア語の「porcino(子豚のような)」の複数形「porcini」に由来する。丸々と太ったツカの形状が子豚を連想させることから名付けられたとされる。
伝来
古くからヨーロッパで愛好されていたが、日本へはイタリア料理の普及とともに、1980年代後半から乾燥品や冷凍品を中心に輸入が本格化した。
歴史背景
古代ローマ時代から貴族に愛された高級食材であり、当時は「スィルルス(Suillus)」と呼ばれていた記録がある。現在でもイタリア、フランス、ポーランドなどでは秋の味覚の象徴として、森林での採取が文化的に根付いている。
備考
ポルチーニは樹木の根と共生する「菌根菌」であるため、現在の技術ではナメコやエリンギのような完全な人工栽培が不可能であり、流通するすべてが野生採取品(天然もの)である。そのため、天候により収穫量と価格が大きく変動する。

