選び方・調理法
選び方
肉の色が鮮やかな濃い赤色で、切り口に艶があるものを選ぶ。ドリップ(肉汁)が出ていないこと、脂肪部分が白く適度な粘りがあるものが良質とされる。内臓肉であるため、鮮度劣化による変色(黒ずみ)や臭みがないかを確認する。
下処理
ブロック(枝肉・塊)の状態では表面に厚い脂肪や筋がついているため、これらを丁寧に取り除く。特にサガリの中央を走る太い筋は食感を損なうため除去が必須。焼肉用には幅4cm〜5cm、厚さ5mm〜8mm程度にスライスするのが一般的だが、厚切りにする場合は格子状の隠し包丁を入れるとより軟らかく仕上がる。
保存方法
内臓肉の一種であるため、精肉よりも酸化・変色が早い。ドリップを拭き取り、ラップで密閉してチルド室で保存する。長期保存の場合は、1回分ずつ小分けにして急速冷凍する。
時期・特徴
国内分布
全国。特に焼肉文化が根付いている地域で需要が高く、北海道や九州などの畜産地から広く流通する。
時期
通年。
栄養
タンパク質を豊富に含み、脂質も適度にある。見た目は精肉の赤身に近いが、カルビ(バラ肉)と比較するとカロリーや脂質がやや低く、鉄分(ヘム鉄)を多く含むのが特徴。
特徴
牛の横隔膜にある筋肉。見た目や食感は赤身肉に近いが、農林水産省の区分では「内臓(副生物)」に分類される。「ハラミ」は横隔膜の背中側(肋骨側)の部位で、正式名称はアウトサイドスカート。肉厚で適度なサシが入る。「サガリ」は横隔膜の腰椎側の懸垂筋で、英語ではハンギングテンダーと呼ばれる。ハラミより若干脂肪が少なく、より赤身が強い。関東などの一部地域では両者を総称して「ハラミ」と呼ぶ傾向があるが、食肉業界では明確に区別される。
品種・由来
- 品種名:ハラミ(牛横隔膜)
- 分類:牛内臓肉(副生物)
- 学名:Bos taurus(牛として)
由来
「ハラミ」は腹部にある身を意味する「腹身(はらみ)」から。「サガリ」は、横隔膜の中央からぶら下がっている(懸垂している)形状に由来する。
伝来
日本国内で食用として広く普及したのは、戦後の焼肉文化の発展による。それまでは「放るもん(ホルモン)」として扱われていた部位だが、赤身に近い食味の良さから急速に一般化した。
歴史背景
かつての日本の食肉格付け制度では内臓扱いであったため、精肉よりも安価に流通していた。1970年代以降の焼肉ブームにより「ヘルシーで食べ応えのある部位」として認知が広まり、現在では希少部位として精肉と同等、あるいはそれ以上の高値で取引されることもある。
備考
牛1頭から取れる量が数kg程度と少なく、国産牛のハラミは非常に希少。市場に流通しているものの多くはアメリカ産やオーストラリア産などの輸入肉である。

