センマイ/第三胃

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選び方・調理法

選び方

本来の表面は濃い灰色から黒みを帯びているが、臭みや見た目を考慮して熱湯で表面の薄皮を剥いた「白センマイ」も流通している。ヒダがしっかりとして張りや弾力があり、異臭(アンモニア臭など)がしないものを選ぶ。ドリップ(肉汁)が多く出ているものは鮮度が落ちているため避ける。下処理の手間を省くため、あらかじめボイル(下茹で)された状態で市販されていることも多い。

下処理

生の場合は、多数あるヒダの間に未消化物や汚れが残りやすいため、塩や小麦粉を振ってヒダを一枚ずつ広げるように丁寧に揉み洗いし、流水でよく洗い流す。その後、ネギの青い部分や生姜などの香味野菜を加えた湯で下茹で(ゆでこぼし)をして臭みを抜く。市販のボイル済み製品も、熱湯にさっとくぐらせてから氷水にさらすと余分な臭みが抜け、歯ごたえもよくなる。

【重要】牛の内臓肉であるため、腸管出血性大腸菌(O157等)などの重篤な食中毒リスクがある。生食は厳禁である。飲食店などで「センマイ刺し」として供される料理も、生肉ではなく必ず中心部まで十分に加熱(ボイル等)されたものである。家庭で調理する際も必ず中まで加熱すること。

保存方法

内臓肉は水分が多く非常に傷みやすいため、購入後はチルド室などで冷蔵し、その日のうちか翌日までに使い切るのが望ましい。長期保存する場合は、下茹でした後に水気をしっかり拭き取り、空気に触れないようラップで密閉して冷凍する。生肉を扱った包丁やまな板などの調理器具は、交差汚染を防ぐため使用後直ちに洗浄・熱湯消毒を行うこと。

時期・特徴

国内分布

国内各地(和牛、交雑種、ホルスタイン種など)で生産されているほか、オーストラリアやアメリカなどから輸入されたものも広く流通している。全国の精肉店や焼肉店、ホルモン専門店などで扱われている。

時期

通年

栄養

牛の4つの胃(ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ)の中で最も脂質が少なく、高タンパクで低カロリーである。鉄分や亜鉛などのミネラルや、ビタミンB群(ビタミンB2、B12など)を豊富に含むとされる。

特徴

牛の「第三胃」。第一胃(ミノ)と第二胃(ハチノス)で発酵・分解された食物の水分を吸収する役割を持つとされる。内面に多数の深いヒダがあり、独特のザクザク・コリコリとした小気味よい歯ごたえがある。味自体は非常に淡白でクセが少ない。焼肉(ホルモン焼き)や炒め物、煮込み料理のほか、下茹でしたものを細切りにして冷やし、酢味噌やコチュジャンのタレにつけて食べる「センマイ刺し(湯引き)」などに広く用いられる。

品種・由来

  • 品種名:黒毛和種、交雑種(F1)、ホルスタイン種など
  • 分類:鯨偶蹄目ウシ科ウシ属
  • 学名:Bos taurus

由来

内壁の多数のヒダが、千枚の布を重ねたように見えることから「千枚=センマイ」と名付けられたとされる。

伝来

牛自体は弥生時代頃に朝鮮半島などを経由して日本に伝来したとされるが、内臓肉(ホルモン)が一般的に広く食されるようになったのは近代以降とされる。

歴史背景

世界的には古くから食用とされ、古代エジプトの壁画にも牛肉を食す様子が描かれている。日本では仏教伝来以降、長く獣肉食が表向き禁じられてきた。明治時代の肉食解禁以降、徐々に牛肉の消費が広がったが、センマイを含む内臓肉(ホルモン)が一般に広く普及したのは、第二次世界大戦後の食糧難の時代や、高度経済成長期の外食産業(焼肉店など)の発展によるところが大きいとされる。

備考

牛一頭から取れる量は約1kg程度と比較的少なく、希少な部位である。前述の通り、食中毒予防の観点から牛内臓肉の生食は法的に厳しく規制・指導されているため、「センマイ刺し」という名称であっても加熱工程は必須である。

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