選び方・調理法
選び方
色が鮮やかで深い緑色をしており、粒子が細かく、ダマ(塊)が少ないものを選ぶ。香りが高く、青臭みやひなびた臭いがないことが重要である。黄色みを帯びたものや、くすんだ茶褐色のものは酸化が進んでいるため避ける。茶道用では、苦味が少なく旨味が強い「濃茶用」と、さっぱりとした「薄茶用」に分けられるため、用途に合わせて選ぶ。
下処理
非常に粒子が細かく、静電気や湿気でダマになりやすいため、使用直前に必ず「茶こし(ふるい)」にかける。これにより、点てた際に泡立ちが良くなり、料理や菓子に混ぜる際も均一に混ざる。点てて飲む場合は、80℃前後のお湯を用いるのが一般的である。
保存方法
酸素、光、高温、湿気に極めて弱く、急速に退色と品質劣化が進む。開封後は密閉して冷暗所(冷蔵庫など)に保管し、なるべく早く使い切る。冷蔵・冷凍保存したものを開封する際は、結露を防ぐため必ず常温に戻してから開封する。
時期・特徴
国内分布
主な産地は京都府(宇治茶)、愛知県(西尾茶)、静岡県(静岡茶)、福岡県(八女茶)など。特に京都府と愛知県は、伝統的に抹茶の原料となる「碾茶(てんちゃ)」の生産が盛んである。
時期
原料となる新茶の収穫は4月下旬から5月にかけて行われる。かつては収穫後に茶壺で熟成させ、11月の「蔵出し(茶の本葬)」の時期が旬とされていたが、現在は保存技術の向上により通年安定した品質で流通する。
栄養
茶葉を丸ごと摂取するため、水に溶けないビタミンA(β-カロテン)、ビタミンE、食物繊維などを効率よく摂取できる。旨味成分であるテアニン(アミノ酸の一種)が煎茶よりも豊富に含まれ、リラックス効果がある。また、カフェインやカテキンも多く、覚醒作用や抗酸化作用が期待される。※ビタミンKを多く含むため、抗凝固剤(ワルファリン等)を服用している場合は摂取量に注意が必要とされる。
特徴
栽培の際、よしずや寒冷紗で茶園を覆い、日光を遮る「被覆栽培(ひふくさいばい)」を行うのが最大の特徴。これにより渋みが抑えられ、旨味と独特の「覆い香」が生まれる。蒸した後に揉まずに乾燥させた「碾茶」を、石臼などで微粉末にしたものを指す。飲料としてのほか、製菓用、料理用(抹茶塩や抹茶そば)、加工食品まで幅広く利用される。
品種・由来
- 品種名:あさひ、さみどり、ごこう、うじひかり、てんみょう、やぶきた
- 分類:ツバキ科チャ属
- 学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze
由来
「抹」という漢字には「細かくすりつぶす」という意味があり、茶葉を粉末状にした形態から「抹茶」と呼ばれた。
伝来
平安時代に最澄や空海らによって伝えられたのは「団茶」と呼ばれる形態だったが、現在の抹茶の原型となる「粉末状の茶を点てる」習慣は、1191年に臨済宗の開祖・栄西が宋から種を持ち帰り、喫茶法(点茶法)を伝えたのが始まりとされる。
歴史背景
鎌倉時代に栄西が『喫茶養生記』を著し、当初は薬用として普及した。その後、室町時代から安土桃山時代にかけて千利休らによって「茶の湯(茶道)」として大成され、武士や貴族の社交文化として発展した。江戸時代までは高級品であったが、明治以降は製茶技術の近代化とともに一般にも普及し、現代では世界的に「Matcha」として認知されている。
備考
原産地:中国
外国語名:Matcha (英), powdered green tea (英), 抹茶(中)
主な活用例:濃茶、薄茶、抹茶アイス、抹茶羊羹、抹茶ラテ、抹茶塩、抹茶そば等

