キヌガサタケ(衣笠茸)

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選び方・調理法

選び方

生(フレッシュ)の状態では、レース状の菌網(マント)が純白で破れがなく、美しく広がっているものが最良。軸(托)に張りがあり、茶褐色の粘液(グレバ)が完全に取り除かれているものを選ぶ。乾燥品は、色が自然な淡黄色で、レース部分が細かく密なもの、湿気ていないものが良品。

下処理

独特の悪臭を放つ傘部の暗緑色の粘液(グレバ)と、基部の「つぼ」を完全に取り除く。食用とするのは白い軸とレース状の網の部分のみである。乾燥品はぬるま湯で20〜30分ほどかけて戻し、石突きや残った不純物を丁寧に洗い流す。特有の匂いが気になる場合は、さっと湯通しすると使いやすくなる。

保存方法

生のものは極めて短命で、数時間で萎凋(いちょう)が始まる。保存する場合は、水に浸した状態で冷蔵し、毎日水を変えながら2〜3日以内に使い切る。一般的には乾燥品として流通しており、こちらは湿気を避けて密閉し、冷暗所で保存する。

時期・特徴

国内分布

本州、四国、九州の竹林に自生するが、発生数は非常に少ない。特に京都の長岡京周辺などは産地として知られる。近年、岐阜県や高知県などで菌床による人工栽培が成功し、極少量のフレッシュ品が高級レストラン向けに流通している。

時期

初夏(梅雨時期)と秋の年2回発生する。

栄養

食物繊維が非常に豊富。カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガンなどのミネラルをバランスよく含み、キノコ類の中でも特に鉄分が豊富とされる。また、近年は健康維持に役立つ多糖類(β-グルカン等)の研究も進んでいる。

特徴

スッポンタケ科スッポンタケ属に属し、「キノコの女王」と称される優美なキノコ。早朝にタマゴ状の幼菌から急速に柄を伸ばし、数時間で白いレース状の菌網を広げる。その美しさに反し、傘の頂部にはハエを寄せて胞子を運ばせるための強烈な悪臭を放つ粘液が付着している。シャキシャキとした繊細な歯ざわりが最大の特徴。

品種・由来

  • 品種名:キヌガサタケ(絹笠茸)、ウスキキヌガサタケ(菌網が黄色の近縁種)
  • 分類:スッポンタケ目スッポンタケ科スッポンタケ属
  • 学名:Phallus indusiatus

由来

傘から広がるレース状の網を、平安時代の貴族が外出時に使用した絹張りの笠(衣笠/絹傘)に見立てて名付けられた。

伝来

日本在来種とされるが、江戸時代にモウソウチク(孟宗竹)の導入とともに中国から帰化したという説もある。古くから竹林の貴婦人として愛でられてきた。

歴史背景

中国では「竹笙(ジュウション)」と呼ばれ、フカヒレやツバメの巣と並ぶ高級食材として、宮廷料理や国賓をもてなす宴席(満漢全席など)に欠かせない逸品とされてきた。古くは不老長寿の薬膳としても珍重された歴史を持つ。

備考

人工栽培が非常に難しく、かつては「幻のキノコ」とされていた。調理の際は、その美しい網目構造を活かすため、スープの浮き実や、中に海老のすり身などを詰めて蒸し上げる料理に多用される。

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