牛ロース

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選び方・調理法

選び方

肉質がよく締まり、キメが細かいものを選ぶ。赤身は鮮やかな赤色(鮮紅色)でツヤがあり、脂肪は白色または乳白色で適度な粘りがあるものがよい。肉が重なっている部分が暗赤色になっていることがあるが、空気に触れていないためであり品質に問題はない。しかし、全体が黒ずんでドリップ(肉汁)が多く出ているものは鮮度が落ちているため避ける。

下処理

ステーキやソテーにする際は、加熱時に肉が縮んだり反り返ったりするのを防ぐため、脂肪と赤身の境目にある筋に包丁の刃先で3~4カ所切り込みを入れて「筋切り」を行う。ただし、切り込みが大きすぎると加熱時に肉汁や旨みが流出してしまうため、必要最小限にとどめる。

保存方法

生肉は傷みやすいため、購入後は空気に触れないようラップで密閉し、チルド室(氷温室)などの低温で冷蔵保存し、2〜3日以内(消費期限内)になるべく早く使い切る。すぐに使わない場合は1回分ずつ小分けにしてラップで包み、冷凍保存する。調理の際はドリップの流出を防ぐため、冷蔵庫内でゆっくりと自然解凍し、半解凍状態で調理すると旨みを逃しにくい。

時期・特徴

国内分布

国内各地(和牛、交雑種、ホルスタイン種など)で生産されているほか、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどから輸入されたものも広く流通している。

時期

通年

栄養

良質なタンパク質と脂質が豊富に含まれる。また、鉄、亜鉛などのミネラルや、ビタミンB2、ビタミンB12などのビタミンB群も多く含まれており、栄養価が高い。

特徴

ロースは肩から腰にかけての背中側の部位を指す。脂肪が少ないわけではなく、むしろ適度に脂肪(霜降り)が入りやすく、柔らかく旨みが濃いのが特徴である。 一般的には首側から「肩ロース」「リブロース」「サーロイン」に分けられる。

肩ロース: 首に一番近い部分。やや筋があるがキメが細かく旨みが濃い。薄切りにしてすき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉などに用いられる。

リブロース: 肋骨(リブ)の背中側にあたる中央部分。厚みがあり霜降りが入りやすく、見栄えが良い。柔らかく濃厚な旨みがあり、ローストビーフ、ステーキ、すき焼きなどに適している。

サーロイン: 腰(お尻寄り)の部分。キメが細かく、上品な脂の旨みを持つ最高級部位の一つ。ステーキに最適とされる。関西地方では単に「ロース」と呼ぶこともある。

※牛肉の表面には食中毒菌が付着している可能性があるため、ステーキなどにする際も表面はしっかりと焼いて殺菌する必要がある。また、結着肉(成型肉)や筋切り加工された肉は、中心部まで十分に加熱(75℃で1分間以上など)すること。

品種・由来

  • 品種名:黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種(以上和牛4品種)、ホルスタイン種、交雑種(F1)、ヘレフォード種など
  • 分類:鯨偶蹄目ウシ科ウシ属
  • 学名:Bos taurus

由来

日本の「ロース」という部位名は、英語の「ロースト(roast:焼く)」を語源とする和製英語であり、「焼くのに適した肉」という意味から転じたとされる。英語圏では部位としてのロースという名称はなく、「Loin(ロイン)」や「Rib(リブ)」などと呼ばれる。

また「サーロイン(sirloin)」の語源は、フランス語で腰肉の上部を意味する「surlonge」に由来するとされるが、「英国王がその美味しさに感動して肉に『サー(Sir)』の称号を与えた」という有名な俗説もある。

伝来

牛自体は、弥生時代頃に朝鮮半島などを経由して日本に伝来したとされる。当初は農耕用や運搬用の役牛として利用されていた。

歴史背景

世界的には古くから食用とされ、古代エジプトの壁画にも牛肉を食す様子が描かれている。日本では仏教伝来以降、飛鳥時代の天武天皇による「殺生禁断令(675年)」などを皮切りに獣肉食が表向き禁じられ、長く食用とする文化は定着しなかった。しかし、戦国時代から江戸時代にかけては、健康回復を目的とした「薬喰い」として一部で食されており、彦根藩から将軍家へ牛肉の味噌漬けが献上された記録もある。明治時代の文明開化に伴い肉食が解禁され、牛鍋の流行などを経て一般に広く普及した。

備考

日本の牛肉の取引規格(枝肉格付)における「A5」などの等級は、主にこのロース周辺(第6・第7肋骨間)の切断面から判断される。ロース芯の面積や、脂肪交雑(霜降りの度合いを示すBMS)などが肉質等級の重要な評価基準となっている。

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