選び方・調理法
選び方
表面が濁りのない純白色で、きめが細かく、指で押すと心地よい弾力(復元力)があるものを選ぶ。乾燥して表面が硬くなっているものや、色が黄色味を帯びているものは避ける。真空パック製品の場合は、脱酸素剤の有無や賞味期限を確認する。
下処理
棹物(さおもの)タイプは、好みの厚さに切り分けて供する。生地に粘りがあるため、包丁を濡らすか、温めた布で拭きながら切ると断面が美しく仕上がる。時間が経過して硬くなった場合は、蒸し直すか、少量の水を振りかけてラップをし、電子レンジで数十秒加熱すると、打ち立てのようなふっくらとした食感が戻る。
保存方法
乾燥を避けるため、密封して常温で保存する。澱粉を多く含むため、冷蔵庫に入れると短時間で硬くなる(老化する)性質がある。数日以内に食べきれない場合は、一切れずつラップをして冷凍(-18℃以下)保存が可能。解凍は自然解凍後、軽く蒸し直すか電子レンジで温めるのが望ましい。
時期・特徴
国内分布
鹿児島県を中心に、宮崎県など南九州地方。特に鹿児島県を代表する銘菓として全国的に知られている。
時期
通年。
栄養
主成分はうるち米(かるかん粉)と砂糖、山芋由来の炭水化物。山芋を使用しているため、他の蒸し菓子に比べて消化が良く、滋養に富む。微量のタンパク質、食物繊維、カリウム、銅などを含む。
特徴
天然の山芋(ナガイモ、ツクネイモ、ジネンジョなど)、砂糖、かるかん粉(うるち米を粗く挽いたもの)のみを主原料とする贅沢な蒸し菓子。重曹などの膨張剤を一切使わず、すりおろした山芋の起泡力だけで膨らませるのが最大の特徴。スポンジのような独特の弾力と、空気を含んだ軽い口当たり、そして山芋特有の素朴な風味と純白の美しさが珍重される。近年は、中に餡を入れた「かるかん饅頭」が主流となっているが、本来は餡のない棹物が伝統的な形である。
品種・由来
- 品種名:かるかん(棹物)、かるかん饅頭(餡入り)
- 分類:菓子類(和菓子・蒸し菓子)
- 学名:―
由来
「軽い羊羹」という意味から「軽羹(かるかん)」と名付けられたとされる。羊羹のような形状でありながら、食感が非常に軽やかであることを表している。
伝来
諸説あるが、1680年代から1700年代頃に薩摩藩(現在の鹿児島県)で考案されたとされる。一説には、明石出身の菓子職人が江戸で習得した技術を薩摩に持ち込み、現地の良質な山芋を活用して作り上げたとも言われている。
歴史背景
薩摩藩島津家の御用菓子として発展した。19世紀半ば、名君として知られる第28代当主・島津斉彬が、江戸から招いた菓子職人に命じて改良・完成させたという記録が残っている。当時、砂糖や米、山芋が豊富に手に入った薩摩藩ならではの高級菓子であり、明治以降に広く一般に普及した。
備考
原料となる山芋の質が仕上がりを大きく左右するため、熟練の職人はその日の気温や湿度、山芋の水分量に合わせて配合を微調整する。和菓子の中では珍しく、油脂や乳製品を使わずに動物性食品(卵)も使用しないため、アレルギー対応やベジタリアン向けの菓子としても注目されることがある。

