イチジク(無花果)

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選び方・調理法

選び方

果皮全体に張りがあり、ふっくらとしていて、品種特有の色(赤紫色など)に均一に色づいているものを選ぶ。

果実の先端(お尻)にある「目」と呼ばれる部分は、完熟すると割れてくるため、適度に開いているものが食べ頃のサインとされる。ただし、大きく開きすぎているものや、果汁が滲み出ているものは過熟で傷み始めている可能性があるため、すぐに使用しない場合は避ける。

下処理

果皮が薄くデリケートなため、水洗いする際は強くこすらず、流水で優しく洗う。

皮はヘタのほうから軸に向かって剥く(バナナ剥き)か、湯剥きする。品種(蓬莱柿など)や完熟度によっては皮ごと食べることも可能。

軸の切り口から出る白い乳液にはタンパク質分解酵素が含まれ、肌の弱い人はかゆくなることがあるため、手早く作業するか手袋を着用するとよい。

保存方法

追熟しない果実のため、完熟状態で流通しており非常に日持ちが悪い。

乾燥を防ぐため、1個ずつキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れるか、パックごと袋に入れ、冷蔵庫(野菜室)で保存する。保存期間は冷蔵でも2〜3日が限度であり、なるべく購入当日に使い切るのが望ましい。

長期保存する場合は、皮を剥いて冷凍するか、コンポートやジャムに加工する。

時期・特徴

国内分布

主な産地は和歌山県、愛知県、兵庫県、福岡県、大阪府など。温暖な地域で多く栽培されている。

時期

品種や栽培法により「夏果(6〜7月)」と「秋果(8〜11月)」、およびその両方が収穫できる「兼用品種」がある。

国内流通の大半を占める「桝井ドーフィン」は夏秋兼用だが、市場に多く出回るのは秋果を中心とした8月〜10月頃。

栄養

水溶性食物繊維(ペクチン)を豊富に含み、整腸作用が期待される。その他、カリウム、カルシウム、鉄分、ポリフェノール(アントシアニン)などを含む。

特筆すべきはタンパク質分解酵素「フィシン」を含んでいる点で、食後の消化促進に役立つとされる。

特徴

クワ科の落葉高木。果実のように見える部分は、植物学的には花托(かたく)が肥大した袋状の器官であり、その内側の空洞に無数の小さな花が密生している。外から花が見えないため「無花果」という漢字が当てられた。

独特のねっとりとした食感と濃厚な甘みを持つ。生食では生ハムやチーズと合わせた前菜や、タルトなどのデザートに使われるほか、加熱すると甘みが凝縮されるため、ローストやソース、天ぷらなどにも利用される。

なお、生のイチジクに含まれる酵素(フィシン)はタンパク質を分解するため、生のままゼラチンで固めようとすると固まらない場合がある。また、肉料理のマリネに使うと肉を柔らかくする効果がある。

品種・由来

  • 品種名:桝井ドーフィン、蓬莱柿(ほうらいし)、とよみつひめ、ビオレソリエス(黒イチジク)
  • 分類:クワ科イチジク属
  • 学名:Ficus carica

由来

「イチジク」という和名の由来には諸説あるが、中国名の「映日果(エイジツカ)」が訛ったという説や、一日に一つずつ熟すことから「一熟(いちじゅく)」と呼ばれたという説などがある。

英語の “Fig” は、ラテン語の Ficus に由来するとされる。

伝来

原産地はアラビア半島南部。栽培の歴史は非常に古く、少なくとも6000年以上前からメソポタミアなどで栽培されていたとされる。

日本へは江戸時代初期(寛永年間)に、中国を経由して長崎に伝来した。「蓬莱柿(ほうらいし)」と呼ばれる在来種がこれにあたる。

現在、国内流通の約8割を占める「桝井ドーフィン」は、明治42年(1909年)に広島県の桝井光次郎氏がアメリカから導入し、広めた品種である。

歴史背景

旧約聖書のアダムとイブが裸を隠すために身につけたのがイチジクの葉とされており、人類との関わりが非常に深い果樹である。

日本では長らく「蓬莱柿」が庭木として親しまれてきたが、輸送性に優れ、収量も多い「桝井ドーフィン」の普及により商業栽培が拡大した。近年では、福岡県の「とよみつひめ」や、フランス原産の黒イチジク「ビオレソリエス」など、高糖度で特徴ある品種の流通も増えている。

備考

「桝井ドーフィン」は皮がやや厚く輸送性に優れ、果実が大きいのが特徴。「蓬莱柿」は皮が薄く、甘みと酸味のバランスが良いが、先端が割れやすく日持ちしにくいため、主に関西以西での地産地消が多い。

乾燥イチジク(ドライフィグ)は、主に海外(トルコ、イランなど)からの輸入品であり、栄養価が凝縮されているため、製パンや製菓材料として重宝される。

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