エバミルク(無糖練乳)

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選び方・調理法

選び方

缶にへこみや錆がなく、賞味期限が十分にあるものを選ぶ。特に接合部(シーム)に錆があるものは内容物の劣化を招く恐れがあるため避ける。光や熱による変質を防ぐため、直射日光を避けた涼しい場所で保管されていたものが望ましい。

下処理

特別な下処理は不要。濃縮成分が沈殿している場合があるため、使用前に缶を軽く振って中身を均一にする。生クリームの代用品としてそのまま使用することで料理に濃厚なコクと乳風味を加えられるほか、水で約1.2倍量(全体で約2.2倍)に薄めることで、普通牛乳と同程度の濃度に戻して使用することも可能である。

保存方法

未開封時は常温保存が可能だが、製造後1年程度を目安に消費する。開缶後は缶の金属成分による風味劣化や酸化を防ぐため、必ず清潔なガラス容器やプラスチック製の密閉容器に移し替え、冷蔵庫(10℃以下)で保存する。加糖練乳とは異なり糖分による保存性がないため、保存期間は2〜3日が目安である。

時期・特徴

国内分布

全国。主な原料供給地は北海道であるが、大手乳製品メーカーが各地の工場で製造・出荷している。プロユースから一般家庭用まで幅広く流通している。

時期

通年。

栄養

牛乳を約2倍から2.5倍に濃縮しているため、タンパク質、脂質、カルシウム、ビタミンA、B2などの栄養成分が普通牛乳よりも高濃度に含まれる。効率的な栄養補給に適しているが、脂質も濃縮されているため、エネルギー量には留意が必要である。

特徴

生乳に砂糖を加えずに加熱濃縮(減圧蒸発)したもので、独特の粘性とわずかに黄色みがかった色調を持つ。乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)では、無糖練乳は「乳固形分25.0%以上、うち乳脂肪分7.5%以上」と定義されている。製造工程での高温殺菌により、メイラード反応(糖とアミノ酸の反応)に伴う特有の芳醇な風味とコクが生まれる。酸に対して牛乳よりも凝固しにくい性質があり、煮込み料理やコーヒー等への添加に適している。

品種・由来

  • 品種名:エバミルク(無糖練乳)
  • 分類:乳製品(濃縮乳)
  • 学名:-

由来

英語で「蒸発させる」を意味する「evaporate」に由来する。英語名の「Evaporated Whole Milk(エバポレイテッド・ホール・ミルク)」を短縮して「エバミルク」と呼ばれるようになった。

伝来

明治時代以降、西洋文化の導入とともに濃縮乳の技術が伝わった。当初は主に保存性の高い乳製品として軍用や船舶用として重宝され、戦後は製菓材料や中華料理、東南アジア料理の普及とともに一般に浸透した。

歴史背景

19世紀、生乳の保存性を高める研究が進む中、スイス出身のジョン・B・メイエンバーグ(John B. Meyenberg)が無糖練乳の高温滅菌法を発明した。1885年にアメリカで初めて製品化に成功し、冷蔵技術が未発達な時代において、安全で長期保存が可能な乳製品として世界的に普及した。

備考

原料には生乳のほか、脱脂粉乳やクリームが調整に使用されることもある。用途は幅広く、クリーム煮、シチュー、カレーの仕上げのほか、杏仁豆腐やマンゴープリン、ミルクティー(香港式など)、製パンなど、濃厚な乳風味と滑らかな質感が求められる料理に多用される。加糖練乳(コンデンスミルク)とは組成が全く異なるため、代用する際は甘味の有無に注意が必要である。

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