西洋ナシ(洋ナシ)

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選び方・調理法

選び方

果皮に張りがあり、手に持った際にずっしりと重みのあるものを選ぶ。軸の周囲にシワが寄り、弾力を感じるようになれば食べ頃のサイン。品種によっては果皮が黄色く変化するが、ラ・フランスのように色が変わりにくいため香りの強さで判断すべきものもある。

下処理

皮をむき、芯を除いて生食にするのが一般的。変色しやすいため、カット後はレモン汁や塩水にさらすと色味を保てる。コンポートなど加熱調理に用いる際は、煮崩れを防ぐため完熟の少し手前の個体を使用するのが望ましい。

保存方法

追熟: 未熟なものは15〜20℃前後の常温で保存する。乾燥を防ぐため新聞紙などで包むとよい。

貯蔵: 産地では収穫後0℃、湿度85~90%の環境で長期貯蔵(バートレットで約2ヵ月、ラ・フランスで約3ヵ月)が可能。

完熟後: 完熟後は老化が早いため、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管し、2〜3日以内に消費する。

時期・特徴

国内分布

山形県(全国シェアの約6割)、長野県、青森県、岩手県、北海道、新潟県など。

時期

8月下旬〜12月(品種により異なる。バートレットは8月下旬から、ラ・フランスは10月下旬から12月頃)。

栄養

ショ糖やソルビトールを多く含み、爽やかな甘味を持つ。ビタミンCは比較的少ないが、整腸作用のある食物繊維や、体内の余分な塩分を排出するカリウム、消化を助けるタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を含む。

特徴

石細胞: ニホンナシに比べて石細胞が少なく、完熟するとバターのように滑らかでとろけるような肉質(メルティング質)になる。

香り: 追熟によってエステル類などの芳香成分が増し、特有の濃厚な香りを放つ。

主な品種:

ラ・フランス: フランス原産。果汁が多くねっとりとした舌触り。外見は不格好だが「果物の女王」と称される。

バートレット: イギリス原産。熟すと果皮が黄色くなる。早生種で缶詰加工にも適す。

品種・由来

品種

  • 品種名:ラ・フランス、バートレット、ル レクチエ、マルゲリット・マリーラ、シルバーベル など
  • 分類:バラ科ナシ属
  • 学名:Pyrus communis L.

由来

英語では「Pear」、フランス語では「Poire(ポワール)」。属名の Pyrus はギリシャ語で「火(Pyr)」に由来し、果実の形状が炎に似ていることから名付けられたとされる。

伝来

明治初期(1875年頃)に内務省勧業寮によって導入された。当初は日本の高温多湿な気候や追熟技術の未確立、加工需要の低迷により普及が遅れたが、昭和後半から栽培技術の向上と食の多様化により生産が安定した。

歴史背景

ナシ属には約20種が知られ、大きくニホンナシ、チュウゴクナシ、セイヨウナシの3グループに分類される。西洋ナシはヨーロッパ中部から西アジアの原生種を基に改良され、古代ギリシャやローマ時代から栽培されていた歴史を持つ。

備考

加工: コンポート、タルト、シャーベット、ジャム、缶詰などの製菓利用が非常に多い。

料理: 芳醇な香りと酸味を活かし、生ハム巻き、白和え、サラダ、肉料理のソース(赤ワイン煮など)にも広く活用される。

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