選び方・調理法
選び方
表面の焼き色が均一で、艶のある濃い茶褐色をしているものを選ぶ。生地のキメが細かく、手に持った際にしっとりとした重みがあるものが良品。長崎カステラなどの伝統的な製法では、底面に「ザラメ糖」が溶けずに残っているものが、食感のアクセントとして珍重される。
下処理
そのまま好みの厚さに切り分けて食す。きれいに切り分けるには、包丁の刃先を温めるか、濡らした清潔な布で拭きながら、刃を大きく前後に動かして引くように切ると断面が滑らかに仕上がる。
保存方法
未開封の場合は直射日光や高温多湿を避け、常温で保存する。開封後は非常に乾燥しやすいため、一切れずつラップでぴっちりと包むか、密封容器・フリーザーバッグに入れて保存する。数日以内に食べる場合は冷暗所、長期保存の場合は冷凍(-18℃以下)が適している。冷凍したものは、冷蔵庫内で時間をかけて自然解凍すると風味が損なわれにくい。
時期・特徴
国内分布
全国。特に長崎県は「長崎カステラ」として知られる一大名産地であり、地域ブランドとしても確立されている。
時期
通年。
栄養
鶏卵、砂糖、小麦粉を主原料とするため、炭水化物とタンパク質を豊富に含み、効率的なエネルギー源となる。卵由来のビタミンB2、ビタミンB12、セレンなどが含まれる。一般的な洋菓子のスポンジケーキと異なり、乳製品や油脂(バター、油)を使用しないため、脂質は比較的抑えられている。
特徴
鶏卵を十分に泡立て、小麦粉、砂糖、水飴などを加えて混ぜ合わせた生地を、木枠などの型に流し込んで焼き上げた菓子。日本で独自に発展を遂げた「和菓子(南蛮菓子)」の一種に分類される。西洋のスポンジケーキとの最大の違いは、水飴を加えることで生まれる特有のしっとりとした食感と、ベーキングパウダーなどの膨張剤や油脂を一切使わずに卵の起泡力のみで膨らませる点にある。
品種・由来
- 品種名:長崎カステラ、五三焼(卵黄と卵白の比率を5:3にした濃厚なもの)、釜出しカステラ、ベビーカステラなど。
- 分類:菓子類(和菓子・南蛮菓子)
- 学名:―
由来
スペインの旧王国名である「カスティーリヤ(Castilla)」のパンを指す、ポルトガル語の「パオ・デ・カスティーリヤ(pão de Castella)」が語源とされる。
伝来
16世紀の室町時代末期、ポルトガルの宣教師や商人によって長崎・平戸に伝えられたとされる。当時のものは「ビスコチョ」という日持ちのする乾燥した菓子であったという説もある。
歴史背景
伝来当初は現在のものよりもパサつきがあり、パンに近い食べ物であったとされる。江戸時代中期以降、日本人の好みに合わせて水飴を加えてしっとりさせるなど、製法に独自の改良が重ねられた。江戸時代には茶席の菓子や高級な贈答品として珍重され、長崎から江戸へとその製法が広まった。
備考
製造時には「泡切り」と呼ばれる、焼き上げの途中で生地をかき混ぜて気泡を整える工程があり、これが均一なキメを作る鍵となる。伝統的な「長崎カステラ」は、底にザラメ糖を敷くのではなく、生地に混ぜ込んだザラメが焼き上げる過程で下に沈み、溶け残ることであの独特の食感が生まれる。

