選び方・調理法
選び方
果皮に張りと細かいうぶ毛があり、色が均一に濃く、芳醇な香りが漂っているものを選ぶ。果肉が極端に柔らかすぎるものは避け、適度な弾力があるものが良品。
下処理
生食する場合は、縦にある溝に沿って包丁を一周入れ、ひねって二つに割る。種は手で簡単に取り除ける。皮もそのまま食べられるが、気になる場合は湯むきにすると滑らかな質感になる。
保存方法
非常に鮮度が落ちやすいため、乾燥を防ぎ冷蔵庫の野菜室で保存し、1〜2日以内に食べきる。食べきれない場合は、種を除いて冷凍するか、速やかにジャムやコンポートなどの加熱調理に回すのが賢明。
時期・特徴
国内分布
長野県が全国の約6割を占める主産地。次いで青森県、山形県など、比較的冷涼な地域で栽培が盛んである。
時期
6月中旬から7月中旬。収穫期間が非常に短く、「初夏の妖精」とも称されるほど出回り時期が限られる。
栄養
β-カロテン(ビタミンA前駆体)の含有量が果物の中でも極めて多く、粘膜の健康維持や抗酸化作用に優れる。また、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸、鉄分、食物繊維も豊富に含む。
特徴
バラ科の落葉高木。果実は完熟すると鮮やかな橙色になり、特有の甘酸っぱい香りを放つ。以前は酸味が強く加工用が主であったが、近年は「ハーコット」のように糖度が高く生食に適した品種も増えている。
品種・由来
- 品種名:平和、新潟大実、信州大実、信山丸、ハーコット、ニコニコット、おひさまコット
- 分類:バラ科サクラ属(スモモ属)
- 学名:Prunus armeniaca
由来
和名の「アンズ」は、中国語の「杏子(キョウシ)」の唐音が転じたもの。別名の「カラモモ(唐桃)」は、中国(唐)から伝わった桃に似た果実であることに由来する。
伝来
中国原産。日本へは弥生時代から平安時代の間には伝来していたと考えられ、『本草和名』や『和名類聚抄』にもその名が見られる。当初は食用よりも、種(杏仁)を薬用にする目的が強かった。
歴史背景
中国では4000年前から栽培されていた。名医が治療費の代わりに杏の木を植えさせたところ、立派な林になったという故事から、現在でも良医のことを「杏林(きょうりん)」と呼ぶ。
備考
種子の中にある「杏仁(きょうにん)」にはアミグダリンが含まれ、咳止めなどの漢方薬として利用される。杏仁豆腐の独特の香りはこれに由来する。ただし、生の仁には毒性があるため、適切な処理を施さずに多量に摂取することは避けるべきである。

