合鴨(アイガモ)

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選び方・調理法

選び方

肉に厚みがあり、赤身部分が鮮やかな濃い赤色(ルビー色)をしているものを選ぶ。脂肪部分は濁りのないきれいな白色で、厚みがあるものが良質とされる。鮮度が落ちると脂肪が黄色っぽく変色し、ドリップ(肉汁)が出やすくなるため注意が必要。

下処理

胸肉(抱き身)などを焼く際は、皮下脂肪が厚いため、皮目に格子状の浅い切れ目を入れてから加熱する。こうすることで余分な脂が抜けやすくなり、皮をパリッと香ばしく仕上げることができる(ポワレ)。特有の匂いが気になる場合は、ネギや生姜、ハーブ類などで下味をつけるか、酒を用いて調理するとよい。

※鶏肉と同様にカンピロバクターやサルモネラ属菌などの食中毒リスクがあるため、生食は厳禁とされる。中心部まで十分に加熱するか、低温調理の際は厳密な温度・時間管理が必須である。加熱しすぎると肉質が硬くなるため、火入れの加減が重要となる。

保存方法

脂肪分が多く、酸化や鮮度劣化が進みやすいため、表面の水分を拭き取り、空気に触れないようラップ等で密閉してチルド室などの低温で保存する。冷蔵の場合は2〜3日以内に消費し、長期保存する場合は急速冷凍する。

時期・特徴

国内分布

国内市場で流通している合鴨肉の大部分は、タイ、台湾、ブラジル、ハンガリーなどからの輸入冷凍品である。国内でもアイガモ農法などで飼育されたものや、独自のブランド鴨が生産されているが、流通量は少ない。

時期

通年。飼育環境下で生産されるため季節を問わず流通するが、伝統的な鴨鍋や鴨南蛮などの需要から、秋から冬にかけてが最も消費が盛んになる時期とされる。

栄養

鶏肉と比較して脂質が多く高カロリーであるが、脂肪酸の組成として不飽和脂肪酸(オレイン酸やリノール酸など)の割合が比較的高い。また、良質なタンパク質のほか、鉄分(ヘム鉄)やビタミンB1、ビタミンB2などのビタミンB群が豊富に含まれる。

特徴

本来「アイガモ」は、野生のマガモと家禽のアヒルを交配させて作られた一代雑種を指す。しかし日本の食品流通上では、食肉用に改良されたアヒル(チェリバレー種など)も広く「合鴨」という名称で流通している。鶏肉よりも赤身が強く、野趣に富んだ濃厚な旨味とコク、程よい弾力を持つのが特徴。和食の鴨鍋、治部煮、鴨南蛮そばから、洋食のロースト(鴨ロース)、オレンジ煮など、幅広い料理に重宝される。特に胸肉(抱き身)の評価が高い。

品種・由来

  • 品種名:チェリバレー種(ペキン種系の改良種・流通の主流)、バルバリー種(南米原産のノブタガンカモ属)、ミュラール種(バルバリー種とペキン種の交雑種)など
  • 分類:鳥綱 カモ目 カモ科 マガモ属(※バルバリー種などを除く)
  • 学名:Anas platyrhynchos var. domesticus(アヒル・合鴨として)

由来

野生の「マガモ(真鴨)」と家禽の「アヒル」の「合いの子(交雑種)」であることから「合鴨(アイガモ)」と呼ばれるようになったとされる。

伝来

マガモの家禽化(アヒルの誕生)は古代中国で始まったとされる。日本においてアヒルの飼育が普及し、「合鴨」という呼称や概念が定着したのは、豊臣時代から江戸時代以降と推察されている。

歴史背景

日本では古来より冬の渡り鳥である野生の鴨(ジビエ)が狩猟によって食され、ごちそうとして珍重されてきた。その後、年間を通じて安定した供給が可能なアヒルや合鴨の飼育・輸入が普及し、大衆食文化として定着した。近年では、水田の雑草や害虫を食べさせると同時に排泄物を肥料とする「アイガモ農法(合鴨水稲同時作)」が環境保全型農業として知られており、役目を終えたアイガモが食肉として利用されることもある。

備考

フランス料理において、フォアグラを採取する目的で肥育された鴨(主にミュラール種)の胸肉は「マグレ・ド・カナール(マグレ・カナール)」と呼ばれ、厚い脂と濃厚な風味が特徴の高級食材として扱われる。また、鴨ロースハム、鴨スモーク(燻製)、パストラミなどの加工品としても広く流通している。

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