テングサ(天草)

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選び方・調理法

選び方

十分に乾燥しており、色が白く透き通っているものを選ぶ。良質なものは「晒し(さらし)」の工程が丁寧に行われており、磯臭さが抑えられている。不純物(他の海藻や砂)が少ないものほど上質とされる。

下処理

乾燥したテングサをたっぷりの水で洗い、付着している砂や貝殻、石などを取り除く。煮出す前に30分〜1時間ほど水に浸しておくと、成分が抽出されやすくなる。煮る際は少量の酢を加えると、細胞壁が分解されやすくなり、凝固成分である寒天質が効率よく溶け出す。

保存方法

湿気を避けて常温の冷暗所で保存する。乾燥状態を保てば数年の長期保存が可能だが、湿気を含むとカビや色あせの原因となるため、密閉容器や袋に入れて保管する。

時期・特徴

国内分布

日本近海に広く分布するが、特に伊豆半島、伊豆諸島産は品質が高く、取引価格も高い。そのほか三重県(志摩半島)、和歌山県、徳島県、愛媛県などの太平洋沿岸が主な産地である。

時期

採取時期は主に5月から9月頃。海女による潜水や船からの採取が行われる。乾燥加工品のため、市場には通年出回る。

栄養

成分の大部分が食物繊維(アガロース、アガロペクチン)であり、ノンカロリーに近い。整腸作用や血糖値の上昇を抑える効果が期待される。加工後のトコロテンや寒天の状態では、製造過程でミネラル分が減少する傾向にある。

特徴

「テングサ」は特定の種を指す名称ではなく、トコロテンや寒天の原料となる紅藻類(主にマクサ、ヒラクサ、オバクサなど)の総称である。採取直後は赤紫色だが、水にさらして天日乾燥を繰り返す「晒し」という工程を経て、淡黄色から白色に変化する。

品種・由来

  • 品種名:マクサ(正草)、ヒラクサ、オバクサ、オニクサ
  • 分類:テングサ目テングサ科
  • 学名:Gelidiaceae(科名)、Gelidium elegans(マクサ)など

由来

凝固する海藻を意味する「凝る藻(こごるも)」が転じて「ココロブト」となり、さらに「トコロテン」へ変化したとされる。テングサという名は、そのトコロテンの原料となる草(天草)を指す。

伝来

日本近海に自生する在来種。古くから食用や糊料として利用されてきた。

歴史背景

『延喜式』(927年)に「深海藻(ふかみる)」や「大凝菜(おおごに)」としての記述が見られ、古くから貴族の宴席などで供されていた。江戸時代には、京都の旅館「美濃屋」の主人が、余ったトコロテンを屋外に放置して凍結・乾燥したものが「寒天」として発見され、保存の利く食材として急速に普及した。

備考

最高級品とされるのは「マクサ」であり、粘り、コシ、香りのバランスが良いとされる。一方、他の種をブレンドすることで、用途に合わせた硬さや喉越しに調整されることが多い。

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