選び方・調理法
選び方
全体に鮮やかな暗赤色で、切り口に鋭さがあり、表面にツヤと弾力があるものを選ぶ。ドリップ(肉汁)が出ているものや、色がくすんで茶褐色になっているものは鮮度が落ちているため避ける。
下処理
1. 洗浄と切り分け: 流水で表面の汚れを洗い流した後、縦半分に切り分ける。
2. 血塊の除去: 内部の心室に残っている血の塊や、太い血管、余分な筋を丁寧に取り除く。
3. 血抜き: 塩水でもみ洗いし、冷水にさらして血を抜く。臭みを抑えるため、料理によっては牛乳に浸すこともある。
4. スライス: 筋繊維が緻密なため、繊維に対して垂直に包丁を入れると食感が良くなる。
保存方法
非常に酸化しやすいため、下処理後はペーパータオルでしっかりと水気を拭き取り、空気に触れないようラップで密閉して冷蔵庫のチルド室で保存する(目安:1〜2日)。長期保存の場合は、金属トレー等で急速冷凍する。
時期・特徴
国内分布
日本全国。和牛、交雑種、乳用種など、国内の主要な肉牛産地から流通する。
時期
年間を通じて安定して流通しており、明確な旬はない。
栄養
高タンパク・低脂質で、心臓を動かすエネルギー源となるビタミンB1、B2、B12が非常に豊富。また、鉄分や亜鉛などのミネラル分も多く含まれ、滋養強壮に優れた部位とされる。
特徴
牛の心臓。1頭から約1.5〜2kgほど取れる。筋繊維が細かく、肉質は非常に緻密で、コリコリとした独特の歯ごたえが特徴。レバーのような特有の癖が少なく、食べやすい。加熱しすぎると急激に硬くなり、うま味も損なわれるため、強火で手早く火を通す調理が適している。
品種・由来
- 品種名:牛(黒毛和種、褐毛和種、ホルスタイン等)
- 分類:ウシ科ウシ属
- 学名:Bos taurus
由来
英語で心臓を意味する「heart(ハート)」が複数形の「hearts(ハーツ)」となり、それが訛って「ハツ」と呼ばれるようになったとされる。
伝来
日本における牛の心臓の食用は、明治時代の肉食解禁以降、西洋料理の導入とともに始まったとされる。その後、戦後の「放るもん(ホルモン)」文化の中で一般に広く普及した。
歴史背景
古来、心臓は生命の源として尊ばれてきた。日本でも戦後の食糧難の時代から、安価で栄養価の高い「内臓肉」のひとつとして、焼肉店を中心に親しまれるようになった歴史がある。
備考
別名として「こころ」「やさき(中四国地方など)」とも呼ばれる。料理には焼肉、串焼き(焼きとんの手法を応用)、煮込み、ソテー、コンフィなどがある。また、脂の付いた部分は「アブハツ」と呼ばれ、濃厚な風味で珍重される。

