選び方・調理法
選び方
肉の色が鮮やかな赤色からピンク色で、表面にツヤと張りのあるものがよい。ドリップ(肉汁)が多く出ているものや、黒ずんで乾燥しているものは鮮度が落ちているため避ける。スーパーなどではあらかじめスライスされたものが一般的に広く流通している。
下処理
塊(ブロック)で購入した場合は、表面のぬめりや血合いを流水でよく洗い流す。特有の臭みを和らげるため、ネギの青い部分や生姜などの香味野菜を加えた熱湯で下茹でするとよい。外側の硬い皮(舌苔)が残っている場合は、下茹でした後に熱いうちに削ぎ落とすように剥き取る。
【重要】豚の内臓肉(副生物)であるため、E型肝炎ウイルスや食中毒菌の感染リスクがある。生食は厳禁であり、必ず中心部まで十分に加熱(75℃で1分間以上、またはそれと同等以上)して調理すること。
保存方法
内臓肉は水分が多く非常に傷みやすいため、購入後は空気に触れないようラップで密閉し、チルド室などで冷蔵保存してなるべく早く(当日〜翌日中に)使い切る。長期保存する場合は、1回分ずつ小分けにして冷凍保存する。生肉を扱った包丁やまな板などの調理器具は、交差汚染を防ぐため使用後直ちに洗浄・熱湯消毒を行うこと。
時期・特徴
国内分布
国内各地で生産されているほか、アメリカやカナダ、ヨーロッパ諸国などから輸入されたものも広く流通している。
時期
通年
栄養
良質なタンパク質が豊富で、牛タンと比較すると脂肪分が少なくカロリーが低めである。ビタミンB群(特にビタミンB2やナイアシンなど)のほか、鉄分や亜鉛などのミネラル、タウリンなどを多く含み、栄養価が高い。
特徴
豚の舌。牛タンと比べてサイズは小さく、1頭から取れる量は150〜250g程度である。全体的に脂肪が少なく、コリコリとした歯ごたえと淡白でクセのない味わいが特徴。根元部分(タン元)は比較的脂肪がのって柔らかく、先端に向かうほど筋肉質で硬くなる。スライスして焼肉(網焼き)や塩焼き、バター焼き(ソテー)にするほか、カレーやシチューなどの煮込み料理にも広く用いられる。
品種・由来
- 品種名:豚(家豚)
- 分類:鯨偶蹄目イノシシ科イノシシ属
- 学名:Sus scrofa domesticus
由来
英語で舌を意味する「tongue(タング)」がなまって「タン」と呼ばれるようになったとされる。
伝来
豚自体は古くから日本に存在・伝来していたが、内臓肉(ホルモン)が一般的に広く食されるようになったのは近代以降とされる。
歴史背景
明治時代の肉食解禁以降、徐々に豚肉の消費が広がったが、豚タンを含む内臓肉が一般に広く普及したのは、第二次世界大戦後の食糧難の時代や、高度経済成長期の外食産業(もつ焼き店、ホルモン焼きなど)の発展によるところが大きいとされる。特に関東地方の「やきとん(豚のもつ焼き)」などでは、定番の串焼きメニューとして古くから庶民に親しまれている。
備考
牛タンに比べて安価で手に入りやすいため、日常的な食材として重宝されている。加工品としても人気があり、スモークタン、ペッパータン、パストラミなどのおつまみ用加工肉として広く市販されている。

