選び方・調理法
選び方
切り口の骨の髄の部分がきれいな白〜ピンク色で、周囲の肉が深みのある鮮やかな赤色をしているものがよい。鮮度が落ちやすいため、ドリップ(肉汁や血液)が多く出ているものや、表面が乾燥して黒ずんでいるもの、異臭のあるものは避ける。スーパーなどでは、関節ごとに切り分けられた状態で市販されていることが一般的である。
下処理
骨の断面から血やアクが出やすいため、調理前に数時間から半日ほど冷水に浸して血抜きを行う(途中で何度か水を替えるとよい)。その後、熱湯で表面の色が変わるまで下茹で(ゆでこぼし)し、流水で表面のアクや余分な脂肪、細かい骨の欠片などを丁寧に洗い流してから本調理に入ると、臭みが抜け澄んだスープが取れる。
【重要】食中毒菌の感染リスクがあるため、必ず中心部(骨の髄)まで十分に加熱して調理すること。
保存方法
骨の周辺は水分が多く非常に傷みやすいため、購入後は空気に触れないようラップで密閉し、チルド室などで冷蔵保存してなるべく早く(当日〜翌日中に)使い切る。長期保存する場合は、1回分ずつ小分けにして冷凍保存する。生肉を扱った包丁やまな板などの調理器具は、交差汚染を防ぐため使用後直ちに洗浄・熱湯消毒を行うこと。
時期・特徴
国内分布
国内各地(和牛、交雑種、ホルスタイン種など)で生産されているほか、オーストラリアやアメリカなどから輸入されたものも広く流通している。
時期
通年
栄養
骨の周りの肉にはコラーゲン(タンパク質)が豊富に含まれており、煮込むことでゼラチン化して溶け出す。脂質が非常に多いためカロリーは高めであるが、パントテン酸やビタミンB12などのビタミンB群、鉄分、亜鉛などのミネラルも含まれる。
特徴
牛の尾の部分。元の長さは60cm以上あり、付け根の太い部分は直径10cmほどになる。4~5cmの骨が関節で連なっているため、通常は関節ごとに輪切りに切断された状態で販売される。非常に硬く運動量が多い部位であるが、長時間じっくり煮込むことでコラーゲンがゼラチン化して肉がホロホロに柔らかくなり、骨髄から非常に濃厚な旨みとコクのあるだしが出る。テールスープ(韓国料理のコムタンなど)や、テールシチュー、カレーなどの煮込み料理に最適とされる。肉付きのよい付け根部分は、柔らかく煮込んだ後に網焼きやステーキにされることもある。
品種・由来
- 品種名:黒毛和種、交雑種(F1)、ホルスタイン種など
- 分類:鯨偶蹄目ウシ科ウシ属
- 学名:Bos taurus
由来
英語で尾を意味する「tail(テール)」に由来する。
伝来
牛自体は弥生時代頃に朝鮮半島などを経由して日本に伝来したとされるが、テールを含む内臓肉(副生物)が一般的に広く食されるようになったのは近代以降とされる。
歴史背景
日本では長らく獣肉食が表向き禁じられており、明治時代の肉食解禁以降に徐々に牛肉の消費が広がった。牛テールを利用したスープなどの料理が一般に広く普及したのは、第二次世界大戦後の食糧難の時代や、高度経済成長期の焼肉文化(朝鮮半島の食文化)の定着によるところが大きいとされる。
備考
牛1頭から1本(約1〜1.5kg程度)しか取れない希少な部位である。コラーゲンが豊富なため、煮込んだスープを冷ますと煮こごり状になる。

