羊肉(ラム・マトン)

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選び方・調理法

選び方

肉の色が鮮やかな赤色(またはピンク色)で、表面にツヤがあるものを選ぶ。脂肪部分は濁りのない白色で、赤身との境目がはっきりしているものが良質とされる。空気に触れて極端に黒ずんでいるものや、パック内にドリップ(肉汁)が多く出ているものは鮮度が落ちているため避ける。

下処理

冷凍肉をスライスする場合は、完全に解凍せず、芯が少し凍った半解凍の状態にすると切りやすい。マトンなどの特有の匂いが気になる場合は、余分な脂肪を取り除き、ローズマリーやニンニクなどの香味野菜、香辛料、ワインなどでマリネ(漬け込み)すると臭みが和らぐ。スープや煮込みにする場合は、一度サッと下茹で(茹でこぼし)をしてアクと余分な脂を抜くとよい。羊脂は牛や豚に比べて融点(溶ける温度)が高く、冷めると口の中で脂が固まり食味を著しく損なうため、加熱後は温かいうちに食べることが推奨される。

保存方法

空気に触れると乾燥や酸化が進むため、表面の水分を拭き取り、ラップ等で密閉してチルド室などの低温で保存し、早めに消費する。長期保存する場合は、1回分ずつ小分けにして急速冷凍する。

時期・特徴

国内分布

国内で流通する羊肉の大部分(99%以上)はオーストラリアやニュージーランドなどからの輸入品である。北海道などを中心に国内での飼育・生産もわずかに行われているが、流通量は極めて少なく希少で高価とされる。

時期

通年。ただし、ニュージーランド産の「スプリング・ラム(春に産まれ、初夏から秋に加工された仔羊)」など、特定の時期に旬として重宝されるものもある。

栄養

良質なタンパク質やビタミンB群(特にビタミンB12、B2)、鉄分や亜鉛などのミネラル類を豊富に含む。また、アミノ酸の一種で脂肪燃焼に関与するとされる「L-カルニチン」が他の肉類に比べて多く含まれていることから、ヘルシーな食肉として注目されている。

特徴

一般的に月齢や永久歯の生え具合によって区分される。生後1年未満で永久歯が生えていないものを「ラム(Lamb)」、生後1年以上または永久歯が2本以上生えているものを「マトン(Mutton)」と呼ぶ(※国や地域により「ホゲット(Hogget)」という中間区分を設ける場合もある)。「ラム」は肉質が軟らかく、羊肉特有のクセや臭みが少ないため、ローストやジンギスカン、ソテーなどに広く好まれる。「マトン」は肉質がやや硬く特有の強い風味があるが、羊本来の旨味が濃く、カレーや煮込み料理などに根強い人気がある。主な部位として肩(ショルダー)、ロース、モモ(レッグ)、バラなどがある。

品種・由来

  • 品種名:サフォーク種(顔と足が黒い肉用種)、メリノ種(毛肉兼用種)、チェビオット種、フィニッシュ・ランドレース種など
  • 分類:哺乳綱 偶蹄目(鯨偶蹄目)ウシ科 ヒツジ属
  • 学名:Ovis aries

由来

「ラム(lamb)」と「マトン(mutton)」は英語に由来するが、マトンの語源は古フランス語で羊を意味する「motoun」からきているとされる。

伝来

日本に本格的に羊が輸入・飼育されるようになったのは明治時代以降で、当初は軍服などの防寒具用としての羊毛生産(綿羊)が主目的であった。食肉としての利用が本格化したのは大正から昭和時代にかけてであり、特に北海道などで羊肉を専用鍋で焼いて食べる「ジンギスカン」の食文化が形成された。

歴史背景

世界的には約8,000〜10,000年前のメソポタミア(中東)地域で、野生のアジアムフロンなどを起源として家畜化されたと推定されている。人類との関わりが最も古い家畜の一つであり、肉だけでなく乳、毛、皮など多用途に利用されてきた。宗教的な食肉禁忌の対象になりにくいため、中東、ヨーロッパ、アジアなど世界各地で広く食されている。昭和40年代頃までの日本では安価なマトンが主流であったが、現在では臭みが少なく軟らかいラムが一般的に流通している。

備考

骨付きのロース肉は「フレンチラック」と呼ばれ、これをあばら骨ごとに切り分けた「ラムチョップ」は、ステーキやグリル、香草焼きなどの用途として人気が高い。

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