選び方・調理法
選び方
賞味期限を確認し、冷蔵ショーケース内で適切に温度管理(10℃以下)されているものを選ぶ。パックに膨らみや損傷がなく、開封口周辺が清潔なものが望ましい。牛乳に含まれるリボフラビン(ビタミンB2)などは光による酸化で風味が劣化しやすいため、可能な限り遮光性の高い容器に入ったもの、あるいは陳列棚の奥にあるものを選ぶのが一般的とされる。
下処理
特になし。ただし、加熱調理に用いる際、乳脂肪分が少ないため全乳や生クリームに比べてタンパク質が凝集しやすく、分離して見える場合がある。ソースやスープに使用する場合は、急激な加熱や長時間の沸騰を避け、仕上げに近い段階で加えるなどの火加減への注意が必要である。
保存方法
必ず冷蔵(10℃以下)で保存する。牛乳は周囲の臭いを吸収しやすい性質(吸着性)があるため、必ず口をしっかり閉じ、臭いの強い食材の近くを避けて保管する。開封後は空気中の雑菌による汚染や酸化が進むため、賞味期限にかかわらず2〜3日を目安に使い切ることが推奨される。
時期・特徴
国内分布
原料となる生乳は北海道をはじめ日本全国で生産されている。製品としての低脂肪牛乳は、各地の乳業メーカーの工場で製造・パッキングされ、全国的に流通している。
時期
通年。年間を通じて安定して流通している。
栄養
「飲用乳の表示に関する公正競争規約」に基づき、生乳から乳脂肪分の一部を除去し、その含有量を0.5%以上1.5%以下に調整したものを指す。脂質は通常の牛乳(約3.8%)と比較して大幅に少なく、エネルギー(カロリー)も牛乳の約6割〜8割程度に抑えられている。タンパク質、カルシウム、乳糖などの成分は通常の牛乳とほぼ同等に含まれるが、脂質の除去に伴い脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)がわずかに減少している。
特徴
成分調整牛乳の一種であり、原料は生乳100%である。遠心分離機で生乳から乳脂肪分の一部を取り除いて製造される。脂肪分が少ないため、さらりとした口当たりと清涼感のある後味が特徴である。料理に使用する際は、素材の風味を活かしたいホワイトソース、冷製スープ、スムージーなどに適している。なお、脱脂粉乳やクリーム等の乳製品を加えて濃度を調整したものは「加工乳」に分類され、生乳のみを原料とする本品とは区別される。
品種・由来
- 品種名:―
- 分類:成分調整牛乳(種類別:低脂肪牛乳)
- 学名:―
由来
「低脂肪牛乳」という名称は、1968年の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」の改正や、その後の公正競争規約の整備により、消費者が脂質やカロリーの摂取量を管理しやすいよう明確に定義されたことに由来する。
伝来
欧米での健康意識の高まりに伴い、先行して普及していた「ローファットミルク(Low-fat milk)」の概念が日本に導入された。
歴史背景
日本では高度経済成長期を経て食の欧米化が進み、生活習慣病の予防やダイエットへの関心が高まった1980年代以降、急速に市場が拡大した。当初は「味が薄い」という評価もあったが、乳業メーカーの技術向上により、乳本来の風味を損なわずに脂肪分のみを下げる手法が確立され、現在では乳製品売り場の主要な選択肢となっている。
備考
パッケージの「種類別」の欄に「低脂肪牛乳」と記載されているものが、生乳100%を原料とした製品である。無脂肪牛乳(乳脂肪分0.5%未満)や加工乳、乳飲料とは規格が異なるため、プロの現場では仕上がりのコクや比重を考慮して使い分ける。

