バター

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選び方・調理法

選び方

販売店の冷蔵ケースで適切に温度管理(10℃以下)され、包装に破損がないものを選ぶ。良質なものは、ムラのない明るい淡黄色で、切り口が滑らかかつ艶があり、水滴の滲み出しがない。香りは牛乳特有の芳醇な風味が感じられ、酸化臭(油臭い臭い)がしないものが望ましい。用途に応じて「有塩」「食塩不使用」「発酵」「非発酵」を使い分けるのが一般的である。

下処理

調理目的に応じて温度管理を行う。パンに塗る、あるいは生地に練り込む場合は、あらかじめ室温に戻して「ポマード状」に柔らかくしておく。一方、パイ生地などに折り込む場合は、グルテンの過剰な生成を抑え、きれいな層を作るため、直前まで冷やして硬い状態を保つ必要がある。

加熱調理では「焼く・炒める・揚げる・煮る」のほか、ソースの仕上げに冷たいバターを加えてコクと艶を出す「モンテ・オ・ブール」、焦がして風味を強める「ブール・ノワゼット(焦がしバター)」など、フランス料理の技法でも多用される。ただし、乳固形分を含むため焦げやすく、高温での長時間加熱には注意を要する。焦げを防ぐために、少量の植物油を混ぜて使用する手法も取られる。

保存方法

必ず冷蔵庫(10℃以下)で保存する。バターは周囲の臭いを吸収しやすく、光や空気に触れると酸化して風味が劣化するため、開封後は断面をラップなどで隙間なく密閉し、箱や密閉容器に入れて保管する。長期保存する場合は、小分けにして冷凍保存も可能とされるが、乾燥や冷凍焼けを防ぐため、ラップで包んだ上で保存袋等に入れ、二重に密封することが推奨される。

時期・特徴

国内分布

原料となる生乳の生産および加工の大部分を北海道が占める。その他、岩手県や栃木県など酪農が盛んな地域でも製造されており、全国的に流通している。

時期

通年。年間を通じて安定して供給されている。

栄養

成分の約80%以上が乳脂肪である。脂質は飽和脂肪酸が多くを占めるが、融点が低いため消化吸収が良いとされる。ビタミンA(レチノール)を豊富に含み、皮膚や粘膜の健康維持に寄与する。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、抗酸化作用を持つビタミンEも含んでいる。エネルギー量が高いため、健康の観点から過剰摂取には留意する。

特徴

「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により、乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下と定義されている。バターは油の中に水分が分散している「油中水型(W/O型)」のエマルション(乳化状態)である。加熱時にパチパチと音がするのは、この水分が蒸発するためである。芳醇な香りは、主に乳酸発酵や加熱の過程で生成されるジアセチルなどの化合物に由来するとされる。

品種・由来

  • 品種名:有塩バター、食塩不使用バター、発酵バターなど
  • 分類:乳製品(種類別「バター」)
  • 学名:―

由来

英語の「Butter」は、ラテン語の「butyrum」を経て、ギリシャ語の「boutyron(牛のチーズ)」に由来するとされる。

伝来

日本には飛鳥・奈良時代に、生乳を煮詰めた「酪(らく)」や「蘇(そ)」といったバターに近い食品が伝わったとされるが、広く一般に普及することはなかった。江戸時代中期に徳川吉宗がインド産の白牛を導入し、現在の千葉県周辺で「白牛酪(はくぎゅうらく)」が製造された記録がある。明治時代に入り、政府による酪農の奨励とともに外国人向けとして本格的な製造が始まった。

歴史背景

紀元前数千年のメソポタミア文明には既に存在していたと推定されている。古代ギリシャやローマでは、食用よりも塗り薬や化粧品として扱われていたとされる。中世ヨーロッパで食用として広く普及し、19世紀末に遠心分離機が発明されたことで、工業的な大量生産が可能となった。

備考

日本で「無塩バター」と呼ばれていたものは、現在は公正競争規約により「食塩不使用バター」と表示される。これは、乳原料自体にごく微量の塩分が含まれており、完全に「塩分ゼロ(無塩)」ではないためである。

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