選び方・調理法
選び方
缶詰や瓶詰、パウチ製品として流通しているものが一般的である。内容液(シロップ)が濁っておらず、透明感があり、一粒一粒の角がしっかり立っているものを選ぶ。粒の大きさが均一で、弾力がありそうなもの(柔らかすぎないもの)が良質とされる。また、容器に傷や膨らみがないか、賞味期限内であるかを必ず確認する。
下処理
シロップ漬けで販売されていることが多いため、使用前にザルに上げ、軽くシロップを切る。甘味を抑えたい場合や、他の飲料(ジュースやシロップ)に漬け込む場合は、流水で軽く洗って水気を切ってから使用すると味が染み込みやすくなる。独特の発酵臭(酢酸菌由来のわずかな酸味臭)が気になる場合は、一度サッと茹でこぼすと軽減される。
保存方法
未開封のものは直射日光を避け、常温で保存が可能。開封後は酸化や菌の繁殖を防ぐため、必ず清潔な密閉容器に移し、シロップに浸かった状態で冷蔵庫に保管する。開封後は2〜3日を目安に早めに使い切る。冷凍保存は、解凍時に水分が抜けて食感が損なわれる(ボソボソとした繊維状の塊になる)ため、一般的には推奨されない。
時期・特徴
国内分布
原料のココナッツが熱帯産であるため、国内で流通しているもののほとんどはフィリピン、ベトナム、インドネシアなどからの輸入製品である。
時期
加工食品のため、年間を通じて安定して流通している。
栄養
成分の大部分は水分と食物繊維(不溶性食物繊維であるセルロース)である。100gあたりのエネルギーは約70〜80kcal(シロップを含む数値)と低く、シロップを除いたナタデココ単体ではさらに低カロリー(5〜10kcal程度)となる。不溶性食物繊維を豊富に含むため、整腸作用や血糖値の上昇抑制、咀嚼回数の増加による満腹感の維持に寄与するとされる。
特徴
ココナッツウォーターに砂糖や水を加え、酢酸菌の一種である「ナタ菌(アセトバクター・キシリヌム)」を植え付けて発酵させて作られる。発酵の過程で菌が作り出す「微生物セルロース(バイオセルロース)」の膜が厚く成長したものがナタデココである。寒天やゼリーとは異なる、コリコリとした独特の強い弾力と歯ごたえが最大の特徴。植物性セルロースよりも繊維が非常に緻密なため、滑らかな舌触りを持つ。
品種・由来
- 品種名:ナタデココ
- 分類:発酵食品(ココナッツ加工品)
- 学名:Komagataeibacter xylinus(旧 Acetobacter xylinum /ナタ菌)
由来
スペイン語の「Nata de coco(ナタ・デ・ココ)」に由来する。「Nata」は「皮膜・脂肪の層(クリーム)」を意味し、「de coco」は「ココナッツの」を意味する。直訳すると「ココナッツの液面に浮かぶ皮膜」となる。
伝来
1970年代後半に、フルーツ缶詰の具材の一つとして日本へ紹介された。その後、1992年にファミリーレストランのデニーズがデザートメニューに採用したことをきっかけに爆発的なブームとなり、広く一般に定着した。
歴史背景
フィリピンでは100年以上前から作られている伝統的な発酵食品である。もともとはパイナップル果汁を用いた「ナタ・デ・ピニャ」という高級品が存在していたが、原料の確保がより容易で安価なココナッツウォーターを利用した「ナタ・デ・ココ」が開発され、世界的に普及した。フィリピンの伝統的デザート「ハロハロ」には欠かせない食材の一つである。
備考
原産地:フィリピン
別称:ココナッツゲル
※現在ではココナッツウォーターだけでなく、他の果汁(リンゴやパイナップル等)を用いて作られるナタデココ風の食品も研究・製造されている。

