選び方・調理法
選び方
純白で光沢があり、粒子が細かくサラサラとしているものを選ぶ。市販品には精製度により「特級」「上白」などの等級があるため、用途に合わせて選択する。また、古くなったものは特有の保存臭がすることがあるため、無臭であることを確認する。
下処理
とろみ付けに使用する場合は、あらかじめ同量から倍量の水で溶いた「水溶き片栗粉」を用意する。加熱する直前に再度底からかき混ぜて均一にすることが肝要である。揚げ物の衣にする際は、素材の水分を軽く拭き取ってからまぶすと、仕上がりが安定する。
保存方法
湿気や直射日光を避け、密閉容器に入れて常温の冷暗所で保存する。粉末製品全般に言えることだが、周囲のにおいを吸着しやすいため、においの強いものの近くには置かない。
時期・特徴
国内分布
原料となるジャガイモ(馬鈴薯)の栽培、およびでん粉製造の約9割以上が北海道で行われている。特に十勝、網走地方などが主要な産地である。
時期
加工品のため年間を通じて安定して流通している。原料のジャガイモは秋に収穫・加工される。
栄養
主成分は炭水化物(デンプン)である。タンパク質や脂質はごくわずかであり、精白米や小麦粉と比較しても純度の高いエネルギー源といえる。微量ながらカリウム、リンなどのミネラルを含む。
特徴
ジャガイモから抽出されたでん粉。市販のでん粉の中では粒径が30〜40μmと最も大きく、以下のような調理特性を持つ。
強い粘り:糊化(こか)した際の粘度が非常に高い。
高い透明度:糊化すると美しい透明感が出るため、あんかけなどの料理に適す。
糊化温度の低さ:約60℃前後から糊化が始まるため、素早い調理が可能である。
老化が遅い:コーンスターチ等と比較して、冷めても液状に戻りにくい特性がある。
品種・由来
品種
- 品種名:ジャガイモ(馬鈴薯)
- 分類:ナス科ナス属
- 学名:Solanum tuberosum
由来
本来はユリ科の「カタクリ」の根茎から抽出したでん粉を指していたため、その名称が残っている。現在、日本で流通している「片栗粉」のほとんどはジャガイモでん粉である。
伝来
ジャガイモ自体は16世紀末にオランダ船により伝わったとされるが、でん粉の工業的な製造が本格化したのは、北海道開拓が進んだ明治時代以降である。
歴史背景
かつては山野に自生するカタクリから少量ずつ製造されていたが、非常に希少で高価であった。明治時代に北海道でジャガイモの栽培が大規模化すると、安価で良質なジャガイモでん粉が大量供給されるようになり、一般家庭にも「片栗粉」として普及した。
備考
揚げ物:竜田揚げなどの衣に使用すると、小麦粉よりもカリッと硬めの食感に仕上がる。
つなぎ:水産練り製品やハンバーグなどのつなぎとしても利用され、弾力のある食感を生む。
類似品との違い:コーンスターチと比較して粘りが強く透明度が高いが、酸に弱く、加熱しすぎると粘度が低下しやすい性質がある。

