選び方・調理法
選び方
粒の大きさが揃っており、全体がムラなく真っ白に白濁しているものを選ぶ。透明な粒(うるち米)が混ざっていないか、欠けや割れ、黒や茶色の斑点(斑点米)がないかを確認する。うるち米と同様に、精米年月日が新しいものを選び、風味が落ちる前に使い切れる量を購入することが望ましい。
下処理
うるち米と同じく、手早く洗って表面の糠や汚れをすすぎ落とす。吸水スピードがうるち米よりも早いため、最初の水は特に素早く捨てる。調理法によって浸水時間が異なり、せいろ等で「蒸す」場合は芯まで水を含ませるために半日〜一晩(6〜12時間程度)しっかり浸水させるのが一般的。「炊飯器で炊く」場合は、洗米後すぐに炊くか、短時間(30分程度)の浸水に留め、加水量もうるち米より少なめにするのが失敗を防ぐコツとされる。
保存方法
高温多湿を避け、風通しの良い冷暗所で保存する。酸化やコクゾウムシなどの害虫を防ぐため、密閉容器に移し替えて冷蔵庫の野菜室で保管するのが最適とされる。臭いを吸着しやすいため、洗剤や香りの強い食材の近くには置かない。
時期・特徴
国内分布
北海道から九州まで全国各地で栽培されている。主な産地としては、佐賀県、北海道、新潟県、岩手県、熊本県などが挙げられる。地域ごとに気候に適した品種が栽培されている。
時期
通年で流通しているが、本来の収穫期は秋(主に9月〜10月頃)。正月用の餅つきや赤飯などの需要が高まるため、晩秋から年末にかけて最も流通が活発になる。
栄養
主成分はエネルギー源となる炭水化物(でんぷん)であり、カロリーはうるち米とほぼ同等である。その他、植物性タンパク質、脂質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分、マグネシウムなどのミネラル類が含まれる。消化吸収が良いため、エネルギーに変わりやすいとされる。
特徴
見た目が不透明で乳白色(白濁)をしているのが特徴。米に含まれるでんぷんの構成が「アミロペクチン100%」であり、アミロースを含まないため、加熱調理することで非常に強い粘り気と特有の甘み、もちもちとした食感が生まれる。赤飯、おこわ、ちまき、餅のほか、和菓子などの原料として利用される。
品種・由来
- 品種名:ヒヨクモチ、はくちょうもち、こがねもち、ヒメノモチ、羽二重もち 等
- 分類:イネ科イネ属
- 学名:Oryza sativa subsp. japonica(※日本国内で主流の短粒種・ジャポニカ種の場合)
由来
強い粘りを持つことから「もち(糯)」と呼ばれ、粘りが少なく主食とされる「うるち米(粳米)」と区別するために「もち米(糯米)」と称されるようになった。「もち」の語源には、長持ちするという意味の「持ち」や、満月のように円満であることを意味する「望(もち)」から来ているなど諸説ある。
伝来
稲作の伝来時期やルートには諸説あるが、縄文時代後期から弥生時代にかけて、中国大陸や朝鮮半島を経由してうるち米とともに日本へ伝わったとされる。東アジアや東南アジアの稲作文化圏でも古くから栽培されている。
歴史背景
日本では古来より「ハレの日」(正月、節句、祝い事など)の特別な食事や、神仏への供え物として欠かせない神聖な食べ物として扱われてきた。平安時代には宮中行事として餅つきが行われていた記録があり、伝統的な年中行事や通過儀礼と深く結びついて現代に受け継がれている。
備考
料理において、そのまま炊く・蒸す以外にも、あられやおかきなどの米菓、みりん、酢、水飴、白玉粉、道明寺粉といった加工品の原料としても極めて重要である。また、うるち米を炊飯する際に少量のもち米を混ぜることで、冷めても硬くなりにくく、もっちりとした食感を保たせるという厨房でのテクニックもしばしば用いられる。

