選び方・調理法
選び方
葉が鮮やかな緑色で、先端までピンとハリがあるものを選ぶ。黒ずみやしおれがあるものは避け、特有のアニスに似た甘く爽やかな香りが強いものが良品。
下処理
使用直前に冷水でさっと洗い、水気を完全に拭き取る。熱に弱く、長時間加熱すると繊細な香りが失われ苦味が出やすいため、煮込み料理では仕上げに加えるか、ソースの香り付けに用いるのが鉄則。
保存方法
乾燥に弱いため、湿らせたペーパータオルで包みポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存する。長期保存には「エストラゴン・ビネガー」や「ハーブバター」への加工が適している。乾燥させると特有の甘い香りが著しく損なわれるため、可能な限りフレッシュ(生)の使用が推奨される。
時期・特徴
国内分布
群馬県や沖縄県などで少量生産されているが、ハーブ専門店やプロ向け市場では輸入品(コロンビア産等)も多く流通する。家庭菜園でも栽培されるが、高温多湿に弱い。
時期
通年(ハウス栽培・輸入を含む)。露地栽培の収穫期は5月〜9月頃。
栄養
β-カロテン、カリウム、ビタミンCなどを含む。主成分の「エストラゴール(メチルチャビコール)」には、食欲増進、消化促進、鎮静作用があるとされる。
特徴
キク科ヨモギ属の多年草。フランス料理では「食通のハーブ(Herbe au Roi)」と称され、ボラン(卵料理)、鶏肉、魚介類、またベアルネーズソース等の格調高いソースには欠かせない。繊細な甘みとわずかな辛味、ほろ苦さが混ざり合った複雑な芳香を持つ。
品種・由来
- 品種名:フレンチタラゴン(種子ができないため挿し木で増殖)、ロシアンタラゴン(種子で増殖)
- 分類:キク科ヨモギ属
- 学名:Artemisia dracunculus
由来
- 学名の種小名 dracunculus はラテン語で「小さな竜」を意味する。フランス語名の「Estragon(エストラゴン)」もこれに由来し、根の形状が竜(蛇)のようにのたうつ姿や、狂犬病や蛇の毒を消す薬草と信じられていたことにちなむとされる。
伝来
日本には大正から昭和初期にかけて導入されたとされるが、栽培の難しさから一般に普及したのは西洋料理が定着した1980年代以降である。
歴史背景
中央アジアからシベリアにかけてが原産。中世ヨーロッパでは「竜を鎮める草」として尊ばれ、16世紀頃からフランスを中心に料理用ハーブとして不動の地位を築いた。
備考
料理に一般的に使われるのは香りの高い「フレンチタラゴン」である。「ロシアンタラゴン」は強健で栽培しやすいが、香りが弱く、苦味があるため料理用としての価値は劣る。代用としてセルフィーユ(チャービル)やフェンネルが用いられることもあるが、本種特有の風味の再現は難しい。

