選び方・調理法
選び方
一般消費者向けに単体で販売されることは稀で、主に「植物油脂」として加工食品に含まれるか、業務用として流通する。購入の際は、持続可能な生産を証明する「RSPO認証(持続可能なパーム油のための円卓会議)」マークがあるものを選ぶことが、環境保護の観点から推奨されている。
下処理
酸化安定性が極めて高く、高温で長時間加熱しても劣化しにくいため、揚げ物油として最適である。常温では半固形状だが、加熱すると速やかに溶解する。無味無臭に精製されているため、素材の味を邪魔せず、揚げ物をサクサクとした食感に仕上げ、時間が経ってもベタつかせない特性(スプレーオイル等)がある。
保存方法
飽和脂肪酸が多く酸化に強いため、常温で長期保存が可能である。直射日光を避け、冷暗所に保管する。低温下では白く固まるが、品質に問題はない。
時期・特徴
国内分布
原料のアブラヤシは熱帯植物であるため国内栽培はされておらず、マレーシアやインドネシアなどの東南アジアから全量を輸入している。
時期
通年入手可能。
栄養
植物油としては珍しく、飽和脂肪酸であるパルミチン酸を約50%と豊富に含み、次いでオレイン酸を含む。酸化を抑えるビタミンE(トコトリエノール)を多く含有する。未精製の「レッドパーム油」は、beta-カロテンやコエンザイムQ10を豊富に含むが、一般的な精製パーム油ではこれらの色素や成分は除去されている。
特徴
アブラヤシの「果肉」から搾取される油脂。世界で最も生産量が多い植物油であり、加工食品(即席麺、スナック菓子、冷凍食品)、マーガリン、ショートニング、洗剤や石鹸の原料まで幅広く利用されている。植物性でありながら動物性油脂(ラード等)に近い物理的性質を持ち、食品に滑らかな食感やサクサク感を与える。
品種・由来
- 品種名:アブラヤシ
- 分類:ヤシ科アブラヤシ属
- 学名:Elaeis guineensis
由来
英語名「Oil palm(アブラヤシ)」の果実から採れる油であることに由来する。種子から採れる「パーム核油」とは性質が異なるため区別される。
伝来
日本へは明治時代以降、工業用原料として導入された。食生活の欧米化と食品加工技術の進歩に伴い、1970年代以降、加工食品用の油脂として輸入量が急増した。
歴史背景
原産地は西アフリカ。19世紀、産業革命期のイギリスで石鹸や潤滑油の原料として需要が高まり、東南アジアでのプランテーション栽培が急速に拡大した。20世紀後半には食用精製技術が向上し、安価で安定した供給が可能なことから、世界の食を支える主要油脂となった。
備考
近年の大規模な農園開発による熱帯雨林の減少や生態系への影響が問題視されており、国際的に持続可能な生産(RSPO等)への転換が進められている。なお、パーム核油(種子から採取)は、パーム油よりもココナッツ油に近い組成を持ち、チョコレートの代替油脂や洗剤原料として使い分けられている。

