選び方・調理法
選び方
用途に合わせて熟度を見極めることが重要。
梅酒・梅ジュース(エキス): 果皮が鮮やかな緑色で硬く、ハリがある「青梅」を選ぶ。傷や斑点がなく、果皮にツヤがあるものが良品。
梅干し・梅漬け: 全体が黄色く色づき、芳醇な香りがする「完熟梅」を選ぶ。果肉が適度に柔らかいものが適している。
共通: 傷、虫食い、不自然な褐変があるものは避ける。しなびているものは水分が抜けているため避ける。
下処理
ヘタ取り: 竹串などを使い、実を傷つけないようヘタ(ホシ)を取り除く。これにより雑味やカビの原因を防ぐ。
アク抜き: 青梅はアク(苦味・渋味)が強いため、たっぷりの水に2〜4時間程度浸してアク抜きを行う。完熟梅は水につけすぎると傷みや変色の原因となるため、アク抜きは不要または手早く洗う程度に留める。
水分除去: 洗浄後は清潔な布やキッチンペーパーで水分を完全に拭き取る(水分はカビの原因となる)。
【重要】注意点: 生の未熟な果実(青梅)の種子や果肉には青酸配糖体(アミグダリン)が含まれており、そのまま食べると中毒を起こす危険性がある。必ず塩漬け、砂糖漬け、加熱、アルコール漬けなどの加工を行い、無毒化してから食すること。
保存方法
冷蔵: 青梅は乾燥を防ぐためポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室(5~8℃)で保存するが、低温障害(果皮の茶変や陥没)が起きやすいため、入手後は早めに加工するのが原則。
冷凍: 洗ってヘタを取り、水分を拭き取った後に冷凍保存袋に入れて冷凍する。細胞壁が壊れるためエキスが出やすくなり、梅酒やジュース作りに適している(梅干しには不向き)。
完熟梅: 追熟が非常に早いため、常温で放置せず、入手したその日のうちに加工する。
時期・特徴
国内分布
主産地は和歌山県(「南高」の発祥地)。次いで群馬県、奈良県、福井県、神奈川県など。
時期
5月下旬(小梅)~6月中旬(青梅)~6月下旬(完熟梅・南高など)。産地や品種により異なる。
栄養
有機酸(クエン酸、リンゴ酸、コハク酸など)が非常に豊富で、含有量は4~6%に達する。特にクエン酸は疲労回復や食欲増進、殺菌効果があるとされる。また、梅肉エキスなどの加熱加工過程では、血流改善効果が期待される「ムメフラール」という成分が生成されるといわれる。
特徴
バラ科の落葉高木。日本や中国原産。春に花を観賞し、初夏に実を収穫する。他の果物と異なり、完熟しても酸味が非常に強く甘味を感じにくいため、生食には向かない。塩、砂糖、酢、アルコールなどで加工することで独特の酸味と香りを活かすことができる。カリウムや鉄分、ビタミンEなども含むアルカリ性食品とされる。
品種・由来
- 品種名:
南高(なんこう): 和歌山県原産。梅のトップブランド。果肉が厚く柔らかいため、最高級の梅干しに適する。
白加賀(しらかが): 関東地方を中心に栽培される代表品種。果肉が緻密で、梅酒や梅ジュースに適する。
古城(ごじろ): 「青いダイヤ」とも呼ばれる、実の美しい青梅用品種。
小梅類(甲州最小など): 粒が小さく、カリカリ梅やおにぎり用の梅干しに利用される。
豊後(ぶんご): アンズとの交雑種。果実が大きく果肉が厚いが、酸味が少ないため梅干しよりも梅酒やジャムに向く。
その他: 鴬宿(おうしゅく)、藤五郎(とうごろう)、紅サシなど。
- 分類:バラ科サクラ属
- 学名:Prunus mume
由来
語源は中国語の「梅(マイ、メイ)」に由来するという説が有力。伝来当時の日本人が鼻音を伴って発音した「ンメ」や「ムメ」が転じて「ウメ」になったとされる。また、「烏梅(ウバイ=燻製にした薬用の梅)」が転じたとする説もある。
伝来
中国原産といわれるが、日本にも野生種があったとする説もあり定かではない。古くから日本各地で栽培され、それぞれの風土に合った品種が分化した。
歴史背景
奈良時代以前に中国から薬木として伝来したとされる。『万葉集』では桜よりも多く詠まれており、当時は主に「花」を愛でる対象であった。平安時代には村上天皇が疫病の際に梅干しと昆布茶で回復したという逸話があり、薬用(烏梅)としての利用も広まる。江戸時代に品種改良が進み、庶民の間でも「梅干し」としての食利用が定着した。戦国時代には兵糧丸(保存食・薬)としても重宝された。
備考
英名は Japanese apricot または Ume。
観賞用の「花梅(はなうめ)」と、果実利用の「実梅(みうめ)」に大別される。
加工品は梅干し、梅酒、梅シロップ、梅ジャム、梅びしお、梅肉エキスなど多岐にわたり、防腐作用や整腸作用を期待して和食やお弁当に欠かせない存在となっている。

