選び方・調理法
選び方
生鮮果実は鮮度が落ちるのが極めて早く、収穫後2〜3日で傷み始めるため、一般の市場にはほとんど出回らない。産地で購入する場合は、果皮が鮮やかな赤色で、張りと光沢があるものを選ぶ。市販品は冷凍果実やピューレ、果汁としての流通が主流である。
下処理
軽く水洗いし、そのまま食す。中央に3つの硬い核(種子)があるため、噛み砕かないよう注意する。加工する場合は、裏ごしして種子を取り除き、ピューレ状にして利用するのが一般的。
保存方法
生食用の場合はポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するが、当日か翌日には食べきる必要がある。長期保存には冷凍が適しており、洗浄後に水けをよく拭き取ってから冷凍用保存袋に入れて凍らせる。
時期・特徴
国内分布
国内では沖縄県が最大の産地であり、特に本部町(もとぶちょう)が「アセロラの里」として知られる。鹿児島県の奄美諸島などでもわずかに栽培される。
時期
沖縄産は5月から11月頃にかけて年に数回収穫されるが、最盛期は初夏(5月〜6月)と秋(9月〜10月)である。輸入品の加工品は通年流通する。
栄養
ビタミンCの含有量が圧倒的に多く、果実100gあたり約1000mgから3000mgと、レモンの約17倍〜50倍に達する。また、ポリフェノール(アントシアニン、ケルセチン)や、β-カロテン、葉酸も豊富で、極めて高い抗酸化作用を持つ。
特徴
サクランボに似た外観から「バルバドスチェリー」とも呼ばれる。果肉は非常に柔らかく、薄い皮の中にたっぷりと果汁を含んでいる。酸味種と甘味種があるが、いずれも爽やかな酸味が立ち、独特の芳醇な香りがある。ビタミンC補給の代表的果実として、清涼飲料水やサプリメントの原料として重宝される。
品種・由来
- 品種名:【甘味種】マノアスイート、ルビートロピカル、ハワイアンクィーン /【酸味種】J.H.バーモント、レーボルグ、ジャンボ
- 分類:キントラノオ科ヒイラギトラノオ属(アセロラ属)
- 学名:Malpighia emarginata(Malpighia glabraとされることもある)
由来
スペイン語の「Azarole(アザロール)」に由来する。これは元々ヨーロッパ産の別の果実(セイヨウサンザシの一種)を指す言葉だったが、新大陸に渡ったスペイン人が似た果実である本種をそう呼んだことから定着した。
伝来
日本へは1958年(昭和33年)頃にハワイから沖縄へ導入されたのが最初とされる。当初は家庭果樹としての普及であったが、1980年代以降、ビタミンCの注目と共に商業栽培が本格化した。
歴史背景
西インド諸島から南米北部が原産。15世紀末にカリブ海に到達した探検家によって発見され、船乗りの壊血病予防に役立てられた。1940年代にプエルトリコでビタミンCが極めて豊富であることが科学的に証明され、世界的に注目される健康果実となった。
備考
アセロラは、成熟が進むにつれてビタミンC含有量が減少する傾向にあるため、栄養価を重視する場合は、完熟直前のやや青みが残る時期に収穫されたものが利用されることもある。葉は「アセロラ茶」として利用されることがあるが、一般的には果実の利用が主である。

