選び方・調理法
選び方
全般: 果実全体が濃い橙色で色ムラがなく、ハリとツヤがあるもの。ヘタが果実にピタリと張り付いており、隙間がないもの(隙間があると虫が入り込んだり、日持ちが悪くなる)。4枚のヘタが残っているものが良品。
重さ: 大きさの割にずっしりと重みがあるものは水分が多くジューシー。
粉(ブルーム): 表面に白い粉(ブルーム)がついているものは鮮度が良い証拠。
下処理
皮むき: ヘタを切り落とし、皮をむいて種を取り除く。
変色防止: むいた後は酸化して黒ずみやすいため、提供直前にむくか、薄い塩水やレモン水にくぐらせるなどの変色防止処理を行う。
渋戻り注意: 渋抜きされた柿(平核無など)を加熱調理すると、結合していたタンニンが分離して再び渋味を感じることがあるため、加熱メニューに使用する際は注意が必要。
保存方法
常温・冷蔵: 柿はヘタの部分から呼吸して水分を蒸発させる。濡らしたキッチンペーパーをヘタの大きさに畳んであて、その上からラップで包んでヘタを下にしてポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存すると、シャキッとした食感を2~3週間程度保つことができる。
追熟: 硬い柿を柔らかくしたい場合は、常温に置いて追熟させる。
冷凍: 熟しすぎて柔らかくなった柿は、そのまま冷凍してシャーベット状(冷凍柿)にして食べると美味。
時期・特徴
国内分布
北海道、沖縄を除く全国で栽培可能。経済栽培の主産地は和歌山県、奈良県、福岡県、岐阜県など。
時期
ハウス栽培: 8月中旬~9月
露地栽培(早生): 9月下旬~10月(西村早生、刀根早生など)
露地栽培(最盛期): 10月下旬~11月(富有、松本早生富有、次郎など)
貯蔵・晩生: 12月~1月
栄養
ビタミンCの含有量が非常に多く、1個で成人の1日分の必要量を満たすとされる(特に甘柿に多い)。抗酸化作用のあるβ-カロテン、β-クリプトキサンチン、カリウム、食物繊維も豊富。渋味成分のタンニン(ポリフェノール)には、アルコールを分解する作用や血圧を下げる効果が期待されている。
特徴
カキノキ科の落葉高木。日本を含む東アジア原産。
大きく「甘柿」と「渋柿」に大別される。
甘柿: 樹上で脱渋(渋が抜ける)し、収穫時には甘くなっているもの(富有、次郎など)。
渋柿: 収穫時でも渋味が強く、そのままでは食べられないもの。アルコールや炭酸ガスで渋抜きをするか、干し柿にして食べる(平核無、西条など)。
※さらに、種が入ると渋が抜ける「不完全甘柿」や、種が入っても渋い「完全渋柿」などの分類がある。
品種・由来
- 品種名:
富有(ふゆう): 「甘柿の王様」。果肉が厚く柔らかで甘味が強い。完全甘柿。
次郎(じろう): 四角い形が特徴。果肉が硬めで歯ごたえが良い。完全甘柿。
太秋(たいしゅう): 梨のようにサクサクとした食感と高い糖度が特徴。条紋(細かいひび割れ)が入ると甘いとされる。完全甘柿。
平核無(ひらたねなし)/刀根早生(とねわせ): 代表的な渋柿(種なし)。渋抜きをして「たねなし柿」として流通する。果汁が多くねっとりとした食感。
西村早生(にしむらわせ): 果肉にごま斑が入ると甘くなる不完全甘柿。
その他: 市田柿(干し柿用)、愛宕、西条、会津身不知(みしらず)など。
- 分類:カキノキ科カキノキ属
- 学名:Diospyros kaki
由来
- 学名の Diospyros はギリシャ語で「神の穀物(果物)」、「神から与えられた食べ物」を意味する。種小名の kaki は日本語の「柿」に由来する。
和名の語源には諸説あるが、「赤木(あかき)」の略、熟した実が輝く「輝き(かがやき)」の転訛、あるいは「赤津姫(あかつき)」の略などの説がある。
伝来
柿自体は中国揚子江沿岸が原産とされるが、現在食べられている「甘柿」は日本国内で突然変異によって生まれたものである(鎌倉時代に不完全甘柿の「禅寺丸」、江戸時代に完全甘柿の「富有」「次郎」などが確認された)。
歴史背景
日本では縄文時代の遺跡から種が出土するほど古くから利用されている。古くは渋柿が中心で、干し柿や熟し柿として甘味源とされた。江戸時代末期から明治時代にかけて多くの品種が発見・改良され、現在では1000種以上の品種があるといわれる。欧米へは18世紀以降に伝わり、「Kaki」または「Persimmon」として知られるようになった。
備考
料理では「柿なます」や「白和え」などの和食のほか、生ハムと合わせた前菜、サラダなどにも使われる。
タンニンには鉄分と結合する性質があるため、鉄鍋で調理すると黒変する場合がある。
「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺があるほど栄養価が高い。また、タンニン(シブオール)がアルコールデヒドロゲナーゼの働きを活発にし、利尿作用のあるカリウムも含むため、二日酔いの防止や解消に効果的とされる。

