選び方・調理法
選び方
全般: 果皮の色が鮮やかで張りがあり、きめが細かいもの。持った時にずっしりと重みがあるものは果汁が多い証拠。軽く感じるものや、フカフカと浮いている感触のあるものは水分が抜けているため避ける。
輸入品の注意点: 輸入品は防カビ剤やワックスが使用されていることが多く、輸送期間も長いため、軸の周辺やヘタの下などにカビが発生していないかよく確認する。
下処理
カット:
スマイルカット: 横半分に切ったものをさらに放射状に3〜4等分する切り方。皮と果肉が離れやすく食べやすい。
カルチェ(房取り): 皮を厚めにむき、薄皮(じょうのう膜)に沿ってV字に包丁を入れ、果肉だけを取り出す。洋菓子やサラダに使用する際の基本処理。
皮の利用(重要): 輸入オレンジの果皮には、輸送中のカビを防ぐための防カビ剤(OPP、TBZ、イマザリルなど)やワックスが塗布されていることが一般的である。マーマレードやピール(皮)を料理に使う場合は、国産の無農薬・ノーワックスのものを選ぶか、輸入品の場合は粗塩で表面をよく擦り洗いし、茹でこぼすなどの処理をして極力除去することが推奨される。
保存方法
冷暗所・冷蔵: 風通しの良い冷暗所、または冷蔵庫の野菜室(3~7℃)で保存する。乾燥すると風味が落ちるため、ポリ袋に入れるとよい。輸入品は比較的日持ちするが、一度カビが生えると周囲に移りやすいため、こまめに確認する。
時期・特徴
国内分布
輸入品: アメリカ(カリフォルニア州、フロリダ州)、オーストラリア、南アフリカ、チリなどが主産地。
国産: 広島県、和歌山県、静岡県、愛媛県、熊本県など。国産は主にネーブルオレンジが栽培されている。
時期
輸入のリレーと国産により通年流通しているが、品種により旬が異なる。
ネーブルオレンジ:
国産:12月〜3月
輸入(米国):11月〜5月
輸入(豪州・チリ):8月〜10月
バレンシアオレンジ:
輸入(米国・豪州):主に6月〜10月(夏場に出回るオレンジの主力)
栄養
ビタミンCが豊富。特にネーブルオレンジはバレンシアよりもビタミンC含有量が多い傾向にある。白い筋や薄皮には、毛細血管を強化し血流改善効果があるとされる「ヘスペリジン(ビタミンP)」が含まれる。その他、葉酸やカリウムも含む。
特徴
世界で最も生産されている柑橘類。大きく分けて、生食に適した「ネーブル」と、ジュースに適した「バレンシア」などの普通オレンジ類、果肉が赤い「ブラッド」の3タイプがある。
ネーブルオレンジ: 果頂部に「へそ(Navel)」があるのが特徴。種がほとんどなく、甘味が強くて香りが濃厚。皮は手でむくことも可能(バレンシアよりは剥きやすい)。
バレンシアオレンジ: 世界的な主要品種。酸味と甘味のバランスがよく、果汁が豊富。種があり、皮が硬く剥きにくいため、カットフルーツやジュースに向く。加熱しても苦味が出にくいため調理用にも適する。
品種・由来
- 品種名:
ワシントンネーブル: ネーブルの代表品種。
バレンシアオレンジ: 夏出し用オレンジの代表。
ブラッドオレンジ: 果肉が赤い品種群(モロ、タロッコなど)。イタリア料理などで重宝される。
福原オレンジ: 千葉県で発見された日本独自の晩生スイートオレンジ。
その他: 清家ネーブル、白柳ネーブル、大三島ネーブルなど(国内の枝変わり品種)。
- 分類:ミカン科ミカン属
- 学名:Citrus sinensis
由来
原産地はインドのアッサム地方周辺とされる。ここから中国へ伝わり、さらに16世紀頃にポルトガル人が地中海沿岸へ伝えたものが、現在のスイートオレンジの基礎となった。
伝来
ネーブル: 1889年(明治22年)にアメリカから和歌山県に導入され、日本の気候でも栽培が可能だったため定着した。
バレンシア: 1903年(明治36年)に導入されたが、日本の気候(回青現象や冬の寒さ)が合わず、商業的な栽培はあまり普及しなかった。現在はごく一部で栽培されている。
歴史背景
大航海時代、ビタミンC不足による壊血病を防ぐため、船上の食料としてオレンジが重視された歴史がある。アメリカ大陸へはコロンブスが持ち込んだとされる。日本においては、明治以降に導入された西洋系柑橘として、在来のミカン類とは異なる「高級な香り」を持つ果実として広まった。
備考
米国フロリダ産のオレンジは皮が薄く果汁が多いため、そのほとんどがジュース加工用に回される。
加工品としてはジュースのほか、皮を利用したオレンジピール、マーマレード、リキュール(キュラソー)などがある。
バレンシアオレンジに見られる「回青(かいせい)現象」とは、一度オレンジ色に色づいた果実が、春以降の気温上昇とともに再び葉緑素を吸収して青く(緑色に)戻る現象のこと。中身の熟度には問題ない。

