選び方・調理法
選び方
乾燥品は粒が大きく、色が自然なクリーム色(漂白されていないもの)で、虫食いや欠けがないものを選ぶ。生の実(芯抜き)の場合は、表面に張りと弾力があり、変色していないものが良品。
下処理
乾燥した実は非常に硬いため、一晩水に浸して戻してから加熱する。中心にある緑色の芯(胚芽)は強い苦味があるため、調理前に取り除く必要がある。生の実(緑色の花托に入った状態)は、皮を剥いてそのまま、あるいは軽く茹でて用いる。
保存方法
乾燥種子は吸湿を避け、密閉容器に入れて常温の冷暗所で保存する。生の実や戻したものは傷みやすいため、密封して冷蔵し、2〜3日以内に使い切る。
時期・特徴
国内分布
食用(実・根)としての栽培は徳島県、茨城県などハス田のある地域で行われるが、種子としての流通は中国、ベトナムなどの東南アジアからの輸入品が大半を占める。
時期
乾燥品は通年流通。生の実(完熟前)はハスの開花時期に合わせ、7月〜9月頃に一部で出回る。
栄養
主成分はデンプンで、植物性タンパク質も豊富。カリウム、マグネシウム、リン、マンガンなどのミネラルや、ビタミンB1、食物繊維を多く含む。薬膳では「蓮子(れんし)」と呼ばれ、滋養強壮や鎮静作用があるとされる。
特徴
ハスの花托の中にできる種子。完熟すると極めて硬い種皮に包まれ、2000年前の遺跡から発掘された「大賀ハス」が発芽した例があるほど驚異的な生命力(長期間の発芽能力)を持つ。加熱すると栗や里芋に似たホクホクとした食感と、上品な甘みが生まれる。
品種・由来
- 品種名:ハス(食用ハス、花ハス)
- 分類:ハス科(旧スイレン科)ハス属
- 学名:Nelumbo nucifera Gaertn.
由来
花が散った後の花托(かたく)の形状が「蜂の巣」に似ていることから「はちす」と呼ばれ、それが転じて「ハス」になったとされる。
伝来
仏教の伝来とともにインドから中国経由で持ち込まれたとする説が有力だが、日本各地の地層から古い時代の種子が発見されており、太古より自生していたとも考えられている。
歴史背景
古代エジプトやインドでは古くから聖なる植物として尊ばれ、食用・薬用として重宝されてきた。中国でも「多子多福(子孫繁栄)」の象徴として、祝儀の席の料理や菓子に欠かせない食材となっている。
備考
中国料理ではスープの具材や、砂糖で煮詰めた「蓮蓉(ハス餡)」として月餅や桃饅頭の餡に多用される。また、芯の部分は「蓮子心」という生薬になり、お茶(蓮芯茶)として利用されることもある。

