選び方・調理法
選び方
カサが固く締まっていて、表面が滑らかで光沢があるものを選ぶ。カサが開いておらず、裏側のヒダが隠れているものが新鮮。ホワイト種は純白なもの、ブラウン種は色が濃く鮮やかなものが良い。軸の切り口が茶色く変色しているものや、全体に柔らかくなっているものは鮮度が落ちている。
下処理
水洗いすると風味を損ない、水分を吸って食感が悪くなるため、汚れは湿らせた布やペーパータオルで優しく拭き取る程度にする。石づきの先端を薄く削り取って使用する。生食する場合は、切った直後から酸化して変色するため、レモン汁を少量振りかけると白さを保つことができる。
保存方法
湿気と乾燥の両方に弱いため、キッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存する。保存目安は2〜3日程度。長期保存する場合は、スライスしてレモン汁を振りかけ、生のまま冷凍するか、バターソテーしてから冷凍すると風味が損なわれにくい。
時期・特徴
国内分布
主な産地は千葉県、茨城県、岡山県など。国内の専用栽培施設で徹底した温湿度管理のもと生産されている。
時期
完全な人工栽培(菌床栽培)のため、年間を通じて安定した品質のものが流通している。
栄養
ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸などのビタミンB群を豊富に含み、脂質や糖質の代謝を助ける。また、キノコ類の中でもカリウムの含有量が多く、余分な塩分の排出を助ける効果がある。旨味成分であるグルタミン酸も豊富である。
特徴
世界で最も生産・消費されている食用キノコ。カサの色によって特徴が異なり、「ホワイト種」は上品で淡白な味わいで生食に適し、「ブラウン種」は香りが強く、肉質が締まっているため加熱料理や煮込みに適する。唯一、鮮度が良ければ生食が可能なキノコとして知られ、サラダのアクセントとしても珍重される。
品種・由来
品種情報
- 品種名:ホワイト種、ブラウン種、クリーム種
- 分類:ハラタケ科ハラタケ属
- 学名:Agaricus bisporus
由来
英語の「Mushroom」は本来キノコ全般を指すが、日本では本種(Agaricus bisporus)の呼称として定着している。和名の「ツクリタケ(作り茸)」は、日本で初めて人工栽培に成功したキノコであることに由来する。
伝来
日本へは明治初期に食用として導入された。1922年(大正11年)に森本彦三郎が栽培に成功し、その後、欧米への輸出用缶詰の原料として国内生産が拡大した。
歴史背景
古代ギリシャやローマ時代には既に野生種が食用とされていた。人工栽培の歴史は、17世紀頃のフランスで馬厩肥(馬の糞尿を混ぜた堆肥)を利用した栽培法が確立されたことに始まり、その後世界中に広まった。そのため、フランス語では「シャンピニオン・ド・パリ(パリのキノコ)」と呼ばれる。
備考
「西洋マツタケ」と呼ばれることもあるが、植物学的にはマツタケとは全く異なる分類である。独特の旨味と香り、そして加熱しても縮みにくい肉質から、ソースのベースや煮込み料理の具材として西洋料理には欠かせない食材となっている。

