選び方・調理法
選び方
傘の表面に張りがあり、虫食い(特に柄の内部)がないものを選ぶ。傘の裏側の管孔が鮮やかな黄色で、黒ずんでいないものが新鮮な証拠。粘性があるためゴミが付着しやすいが、できるだけ異物の混入が少ない個体が良品。
下処理
塩水にしばらく浸けて、傘の裏や粘面に潜んでいる小さな虫を追い出す。その後、流水で落ち葉や泥を優しく洗い流す。加熱すると鮮やかな黄褐色から「赤紫色(ブドウ色)」へと劇的に変化するが、これは本種特有の性質であり、品質に問題はない。
保存方法
非常に傷みが早いため、入手した当日中に下処理を行うのが原則。下ゆでしてから水に浸した状態で冷蔵すれば2〜3日は保存可能。長期保存する場合は、下ゆで後に小分けにして冷凍するか、伝統的な手法である「塩漬け」にする。乾燥させると独特の風味が強まる。
時期・特徴
国内分布
北海道から屋久島まで日本全国に広く分布。特にアカマツやクロマツなどの二針葉マツ林の地上に群生する。
時期
夏から秋(7月〜11月頃)。特に秋の長雨の後に一斉に発生することが多い。
栄養
食物繊維が豊富で、低カロリー。カリウムやビタミンB群のほか、抗酸化作用が期待される多糖類(グルカンなど)を含む。整腸作用に優れた健康食材とされる。
特徴
イグチ科ヌメリイグチ属の菌根菌。傘の表面は湿ると強いぬめりを帯び、色は淡黄褐色から橙褐色。最大の特徴は傘の裏側で、ひだではなく「管孔(かんこう)」と呼ばれる網目状の構造を持つ。人工栽培が確立されていないため、市場に出回るものはすべて天然物である。
品種・由来
- 品種名:アミタケ(網茸)
- 分類:イグチ目イグチ科ヌメリイグチ属
- 学名:Suillus bovinus
由来
傘の裏面の管孔が粗く、網目(あみめ)のように見えることから「アミタケ」と名付けられた。地方名が非常に多く、シバタケ(岐阜・石川等)、アミコ(東北等)、スドウシ(岡山等)など各地で親しまれている。
伝来
日本在来の野生キノコ。古来より松林に自生し、秋の味覚として収集・利用されてきた。
歴史背景
古くから松茸と並んで親しまれてきた庶民の味であり、江戸時代の本草学書にも記載が見られる。特に東北や北陸地方では、秋に大量に発生する本種を塩漬けにして冬場の貴重なタンパク源・保存食とする文化が根付いている。
備考
「オウギタケ」という別のキノコがアミタケの菌糸に寄生して一緒に発生することが多く、産地では両者をセットで収穫・調理することが一般的。ぬめりを活かした「大根おろし和え」や「味噌汁」、汁物、鍋物との相性が抜群で、その食感から「森のレバ刺し」と称して供されることもある。

