選び方・調理法
選び方
カサの表面に特有の粘性(ヌメリ)がしっかりとあり、色が鮮やかな黄褐色のものを選ぶ。カサの裏側のヒダが白く、開ききっていないものが新鮮である。古くなるとヒダが褐色に変わり、独特の食感が損なわれるため避ける。
下処理
天然物は石づきを切り落とし、カサの表面やヒダに付着した土、落ち葉などを流水で手早く洗い流す。菌床栽培品は汚れが少ないため、濡らしたキッチンペーパーで拭き取る程度でよい。生食は消化不良や中毒の恐れがあるため、必ず中心部まで十分に加熱調理すること。
保存方法
乾燥に弱いため、湿らせたキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存する。鮮度落ちが早いため2〜3日中に使い切るのが望ましい。長期保存する場合は、硬めに茹でて水気を切り、小分けにして冷凍する。
時期・特徴
国内分布
北海道から九州まで、日本全国の広葉樹林に分布する。特にブナ、ミズナラ、トチノキなどの朽ち木や倒木、立ち枯れした樹木に群生する。
時期
天然物の発生時期は秋(9月〜11月頃)。近年では菌床栽培技術が確立されており、栽培品は通年流通している。
栄養
低カロリーであり、整腸作用を促す食物繊維が豊富。代謝を助けるビタミンB群(B1、B2)や、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、余分な塩分の排出を助けるカリウムを多く含む。
特徴
カサの直径は5〜15cmほどになり、表面には明瞭なヌメリと、褐色の綿毛状の鱗片(ササクレ)が散在する。肉質は厚く、ナメコよりも大型で食べ応えがある。ツカにも同様の鱗片が見られ、根元に向かってやや太くなる傾向がある。味にクセがなく、加熱すると非常に良い出汁が出るため、汁物、鍋物、和え物、炒め物など幅広い料理に適する。
品種・由来
品種情報
- 品種名:ヌメリスギタケ(滑杉茸)
- 分類:モエギダケ科スギタケ属
- 学名:Pholiota adiposa
由来
スギタケ(Pholiota squarrosa)に似ており、かつ表面に強いヌメリがあることに由来する。名前に「スギ」と付くが、実際には針葉樹のスギではなく、主に広葉樹に発生する。
伝来
日本を含む東アジア、ヨーロッパ、北米など北半球の温帯以北に広く分布する。日本では古くから山菜(キノコ)狩りの対象として親しまれてきた。
歴史背景
かつては野生品の採取が主であったが、1990年代頃から本格的な菌床栽培が普及し、スーパーマーケット等の小売店でも「ヌメリスギタケ」や「モエギタケ」の名で一般的に販売されるようになった。
備考
外観が酷似する「スギタケ」や「スギタケモドキ」は、以前は食用とされていたが、現在は体質により激しい胃腸障害を引き起こす毒キノコとして分類されている。また、本種と非常によく似た「ヌメリスギタケモドキ」も存在するが、こちらはツカの部分にヌメリがないことで判別でき、同様に食用可能である。

