選び方・調理法
選び方
濁りがなく透明度が高いもの、色が鮮やかで均一なものを選ぶ。表面に不自然な離水(水滴の染み出し)がなく、角がしっかりと立っているものが良品とされる。中に小豆や果物、意匠を凝らした練り切りなどが入っている場合は、それらが美しく透けて見えるものを選ぶ。
下処理
一般的には調理済みのものをそのまま供する。手作りする場合は、粉末寒天や糸寒天を完全に煮溶かしてから砂糖を加えるのがコツ。切り分ける際は、断面を美しく出すために、包丁を濡らすか温めてから引くように切る。型抜きをする場合は、型を水で濡らしておくと取り出しやすい。
保存方法
乾燥を防ぐため、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存する。糖度が高いため比較的日持ちはするが、風味を損なわないよう数日以内に消費するのが望ましい。表面を乾燥させて結晶化させた「琥珀糖(こはくとう)」タイプは、湿気を避ければ常温での保存が可能。冷凍は解凍時に離水して食感が損なわれるため、原則として避けるべきとされる。
時期・特徴
国内分布
全国。
時期
夏(6月〜8月頃)。涼しげな見た目から、夏の季語や茶席の主菓子として重用される。
栄養
主成分は砂糖や水飴由来の炭水化物。寒天が主原料であるため、ごくわずかに食物繊維を含む。脂質やタンパク質はほとんど含まれず、和菓子の中でも特に低カロリーな部類に入るが、糖分は多いためエネルギー補給に適している。
特徴
寒天に砂糖や水飴を加えて煮詰め、型に流し入れて冷やし固めた和菓子。正式には「錦玉羹(きんぎょくかん)」と呼ばれる。無色透明な性質を利用し、着色して季節の情景を映し出したり、中に小豆、栗、金魚を模した練り切りなどを閉じ込めたりと、視覚的な美しさを追求するのが特徴。表面を数日間乾燥させ、砂糖を再結晶させて「外はシャリッ、中はプルッ」とした食感に仕上げたものは「琥珀糖」や「干琥珀(かんこはく)」と呼ばれ、半生菓子に分類される。
品種・由来
- 品種名:錦玉羹、琥珀糖(琥珀餅)、レース羹(寒天に気泡を含ませたもの)
- 分類:菓子類(和菓子・生菓子または半生菓子)
- 学名:―
由来
名称の「錦玉(きんぎょく)」は「錦(にしき)」や「玉(ぎょく)」のように美しく、宝石のような輝きを持つことから名付けられたとされる。「琥珀(こはく)」の呼称は、かつてクチナシの実で琥珀色(黄色味を帯びた透明)に着色して作られたことに由来する。
伝来
日本独自の発展。江戸時代初期に、京都の旅館「美濃屋」の主人・美濃屋太郎左衛門が、捨てたところてんが凍結・乾燥しているのを見て「寒天」を発明したことが、錦玉羹誕生のきっかけとなったとされる。
歴史背景
江戸時代には「金玉羹(きんぎょくかん)」という表記も一般的に用いられていた。当時の料理書『料理物語』などにも記載が見られ、当初はクチナシで色付けされたものが主流であった。明治以降、製糖技術の向上とともに純度の高い白砂糖が普及し、現代のような非常に透明度の高い美しい錦玉羹が作られるようになった。
備考
茶席においては、夏の趣向として水面や涼やかな情景を表現するために欠かせない菓子である。氷に見立てたものは「氷琥珀」や「みぞれ」などと呼ばれることもある。

