選び方・調理法
選び方
粒子が細かくサラサラとしており、湿気によるダマがないものを選ぶ。用途(製パン、製麺、製菓など)に合わせ、タンパク質(グルテン)含有量の異なる強力粉、中力粉、薄力粉を適切に選択することが重要である。また、灰分(かいぶん)の値が低いものほど色が白く、雑味が少ないとされる。
下処理
使用前に必ず「ふるい」にかける。これにより塊(ダマ)を取り除くだけでなく、粉に空気を含ませることで、他の材料との混ざりが良くなり、焼き上がりの食感や膨らみが向上する。
保存方法
高温多湿、直射日光を避け、密封性の高い容器で保存する。冷蔵庫での保存は、出し入れの際の温度変化による結露がカビやダニの発生原因となるため、基本的には常温の冷暗所が望ましい。また、においを吸着しやすい性質があるため、香辛料や洗剤などにおいの強いものの近くには置かないよう注意する。
時期・特徴
国内分布
北海道が国内生産量の約6割を占める最大の産地である。次いで福岡県、佐賀県、群馬県、岡山県など、各地の気候に適した品種が栽培されている。
時期
国内産小麦の収穫は主に6月から7月にかけて行われるが、製粉工程を経て年間を通じて安定して流通している。
栄養
胚乳のみを粉にした一般的な小麦粉は、炭水化物(デンプン)が主成分で、タンパク質、ビタミンB1、B2を含む。胚芽や外皮を除かずに粉にした「全粒粉」は、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル(鉄、マグネシウムなど)、食物繊維がより豊富に含まれている。
特徴
普通コムギの胚乳部分を粉砕したもので、含まれるタンパク質(グルテニンとグリアジン)が水と合わさり、練ることで「グルテン」を形成するのが最大の特徴である。このグルテンの弾力と粘性が、パンの膨らみや麺のコシを生む。
強力粉:タンパク質含有量が多く(約12%以上)、パンや餃子の皮に適す。
中力粉:タンパク質含有量が中間(約9%前後)、うどんや素麺に適す。
薄力粉:タンパク質含有量が少なく(約8.5%以下)、菓子や天ぷらに適す。
デュラム粉:非常に硬いデュラムコムギを粗挽きにしたもので、パスタの原料となる。
品種・由来
品種
- 品種名:コムギ(小麦)
- 分類:イネ科コムギ属
- 学名:Triticum aestivum(普通コムギ)、Triticum durum(デュラムコムギ)
由来
「むぎ」という呼称は、殻をむいて食べることから「剥き(むき)」が転じたとする説や、芽がまっすぐ上を向いて生えることから「向き(むき)」に由来するという説など、諸説ある。
伝来
紀元前400年〜紀元前300年(弥生時代)頃、中国大陸から朝鮮半島を経て日本へ伝わったとされる。
歴史背景
約1万年前から西アジア(フェルティル・クレセント)で野生種の採取が行われ、紀元前7000年頃には栽培が始まったとされる最古の栽培植物の一つである。日本では奈良時代に「麦」として租税の対象となり、鎌倉時代以降に二毛作が普及したことで生産量が増大した。
備考
加工品は多岐にわたり、パン、麺類(うどん、中華麺、パスタ)、マカロニ、ビスケット、ケーキ、麩(ふ)などの主原料となる。また、料理のつなぎや衣、とろみ付けなど、調理の補助材料としても不可欠な食材である。

