選び方・調理法
選び方
スライスパックは、肉の色が鮮やかな淡紅色で、脂身が濁りのない白濁色のものを選ぶ。表面にドリップ(肉汁)が出ているものは避ける。原木(塊)の場合は、表面の乾燥が均一で、脂質が酸化して黄色く変色していないもの、異臭のないものが良品である。
下処理
そのままスライスして食すのが一般的。塩気が強い場合は、フルーツ(メロン、イチジク、柿など)や野菜と合わせることで塩味の角が取れる。加熱料理に使用する場合は、火を通しすぎると食感が硬くなり塩味が際立つため、仕上げに加えるか、さっと火を通す程度に留める。
保存方法
スライス製品は空気に触れると急速に酸化し風味が落ちるため、開封後はラップで密着包装し、冷蔵庫のチルド室で保存して2〜3日以内に使い切る。原木(骨付き等)の場合は、切り口を切り出した脂身やラップで保護し、清潔な布を被せて冷暗所または冷蔵庫で保存する。
時期・特徴
国内分布
イタリア(パルマ等)、スペイン(ハモン・セラーノ等)からの輸入が多いほか、国内では秋田県や山形県、鹿児島県などで伝統的な製法を用いた長期熟成生ハムの生産が行われている。
時期
通年。
栄養
タンパク質と脂質が主成分で、豚肉由来のビタミンB1、亜鉛、鉄分が含まれる。長期熟成タイプは水分が抜けている分、栄養成分が凝縮されており、促成タイプに比べてアミノ酸(旨み成分)や塩分含有量が高い傾向にある。
特徴
豚のもも肉などを塩漬けし、低温で熟成・乾燥させたもの。燻製工程を入れる「ラックスハム」と、燻製せず乾燥熟成させる「プロシュート(パルマ型)」などに大別される。日本の食品衛生法では「非加熱食肉製品」に分類され、製造時の温度管理や水分活性、亜硝酸根残存量などの厳しい規格基準が設けられている。
品種・由来
- 品種名:プロシュート・ディ・パルマ、ハモン・セラーノ、ラックスハム、金華火腿(金華ハム)
- 分類:非加熱食肉製品
- 学名:―
由来
「ハム(Ham)」は本来、豚のもも肉を指す言葉である。日本では加熱工程のないものを「生ハム」と呼んで区別しているが、欧州では製法により個別の名称(プロシュート等)で呼ばれる。
伝来
1872年(明治5年)に長崎で片岡伊右衛門が米国人から技術を学んだのが始まりとされる。1874年には英国人ウィリアム・カーチスが鎌倉(現在の横浜市戸塚区付近)で製造販売を開始し、「鎌倉ハム」のルーツとなった。
歴史背景
古くから欧州で冬場の保存食として発達した。日本では長らく「非加熱」の食肉製品の製造販売が制限されていたが、1982年(昭和57年)の厚生省告示第95号により規格基準が整備され、国内での本格的な製造と流通が可能となった。
備考
「ラックスハム」のラックス(Lachs)はドイツ語で「鮭」を意味し、完成した肉の色が鮭の身の色に似ていることに由来する。これに対し、イタリアの「プロシュート」などは1年前後の長期熟成を経て、深いコクと複雑な香りが生まれる。世界三大ハムには、プロシュート・ディ・パルマ(伊)、ハモン・セラーノ(西)、金華火腿(中)が挙げられることが多い。

