選び方・調理法
選び方
用途に応じたタイプ(製菓・製パン用の固形、揚げ物用の流動状など)を選択する。酸化安定性が高いため賞味期限は比較的長いが、製造日が新しいものを選ぶ。近年は健康への配慮から「トランス脂肪酸低減」や「コレステロールゼロ」を明記した製品が主流となっている。
下処理
無味無臭であるため、素材の風味を活かす調理に適する。クッキーなどの焼き菓子に使用すると、小麦粉のグルテン形成を抑制し、サクサクとした「ショートネス(脆さ)」を与える。揚げ油として使用する際は、油切れが良く、冷めても衣がベタつかずパリッとした食感が持続する。
保存方法
直射日光を避け、常温(25°C以下が目安)の冷暗所で保存する。冷蔵庫に入れると非常に硬くなり、パンの練り込みや製菓時のクリーミング性が損なわれるため、基本的には常温保存が望ましい。ただし、夏季など室温が高い場合は冷蔵し、使用前に室温に戻して硬さを調整する。
時期・特徴
国内分布
原料油脂(パーム油、菜種油、大豆油など)の多くを輸入に頼り、国内の製油工場で配合・製造されている。
時期
通年入手可能。
栄養
主な成分は飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸。かつては製造過程の水素添加に起因するトランス脂肪酸が問題視されたが、現在の日本国内で流通している主要な業務用・家庭用製品は、製法の改良により低トランス脂肪酸(100g中2g未満など)化が進んでいる。
特徴
動植物油脂を原料とした、水分を含まない純度100%に近い可塑性(かそせい)油脂。マーガリン(水分や乳成分を含む)と異なり、焼き上がりの香ばしさや食感の改良に特化している。常温で半固形状を保つため、生地への練り込みが容易で、パンのボリュームを出す効果や、揚げ物の保存性を高める効果がある。
品種・由来
- 品種名:ショートニング
- 分類:油脂類(加工油脂)
- 学名:—
由来
英語の「shorten(もろくする、サクサクさせる)」という動詞に由来する。生地を脆くサクサクした食感(shortness)にする性質を持つことから名付けられた。
伝来
明治時代以降、西洋の製パン・製菓技術とともに日本へ導入された。戦後の食生活の欧米化とファーストフード産業の発展に伴い、業務用を中心に普及が加速した。
歴史背景
19世紀末のアメリカにおいて、供給が不安定であったラード(豚脂)やバターの安価な代用品として開発された。当時は綿実油に水素添加を行って固形状にしたものが始まりであり、その後、加工技術の進化とともに食品工業に欠かせない多機能油脂としての地位を確立した。
備考
家庭用として小分け販売されている製品は、主にパンやクッキーの練り込み用途として物性が調整されている。一方、揚げ物専用のショートニングは耐熱性をより高める配合となっており、プロの現場では用途によって厳密に使い分けられている。

