選び方・調理法
選び方
用途に合わせて「焙煎」か「無焙煎」かを選択する。色が濃く香りが強いものは、高温で深く焙煎されたもので、中華料理や仕上げの香り付けに適している。一方、淡い色や透明のものは低温焙煎や無焙煎(太白)で、素材の味を活かす料理や製菓に向く。光による劣化を防ぐため、色の濃い瓶や遮光性の高い容器に入ったものを選ぶ。
下処理
酸化安定性が高いため、生食だけでなく炒め物や揚げ物にも適している。揚げ物に使用する際は、サラダ油などの植物油に1〜3割程度混ぜることで、風味良くカラリと仕上がる。香りを最大限に活かしたい場合は、調理の最後(火を止める直前)に加えるのが定石である。
保存方法
抗酸化成分を豊富に含むため他の液状油より酸化しにくいが、直射日光と高温多湿を避けた冷暗所で常温保存する。冷蔵庫に入れると、成分が結晶化して白濁したり固まったりすることがあるため推奨されない。
時期・特徴
国内分布
原料となるゴマの自給率は0.1%に満たず、大部分をナイジェリア、タンザニア、モザンビークなどのアフリカ諸国や中南米からの輸入に頼っている。国内では鹿児島県(喜界島)や香川県、茨城県などでわずかに栽培されている。
時期
通年。
栄養
脂質の主成分は、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸と多価不飽和脂肪酸のリノール酸がほぼ同量ずつ含まれる。微量成分として、強力な抗酸化作用を持つゴマリグナン(セサミン、セサモール、セサモリン等)を含み、肝機能の改善やコレステロール値の抑制、老化防止に寄与するとされる。
特徴
ゴマ科の一年草「ゴマ」の種子を原料とする。焙煎した種子を圧搾した「焙煎胡麻油」は特有の芳醇な香りと琥珀色を持ち、生(無焙煎)の種子を搾った「太白(たいはく)胡麻油」は無色無臭で澄んだ旨味を持つ。非常に熱に強く、加熱しても酸化しにくい性質(抗酸化性)は料理人にとって大きな利点である。
品種・由来
- 品種名:白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマ
- 分類:ゴマ科ゴマ属
- 学名:Sesamum indicum L.
由来
漢名の「胡麻(こま)」を音読みしたもの。「胡(西域)」から伝わった「麻(アサ)」の実に似た植物、という意味を持つ。
伝来
原産地はサバンナ地帯のアフリカ大陸とされる。日本へは縄文時代末期から弥生時代にかけて、中国を経由して伝来した。奈良時代には既に食用や灯明用として利用され、大宝律令(701年)には「胡麻油」の記述が見られる。
歴史背景
世界最古の油脂植物の一つ。古代メソポタミアでは「神々の酒の肴」とされ、不老長寿の薬としても重用された。日本では鎌倉時代以降、精進料理の普及とともに貴重な脂質源として調理技術が発展した。江戸時代には天ぷらの揚げ油として江戸前料理に欠かせない存在となった。
備考
「白絞油(しらしめゆ)」は本来、綿実や菜種を精製した淡黄色・透明の油を指すが、ゴマ油においては特に白ゴマを原料とした精製度の高いものを指すことがある。また、油を搾った後の「ゴマ粕」は、良質なタンパク質とミネラルを含むため、飼料や肥料として再利用される。

