選び方・調理法
選び方
料理の目的(味付け、脱水、装飾等)に応じて使い分ける。精製塩(食塩)は塩味が鋭く計量しやすいため調理全般に向く。にがり成分(マグネシウム等)を含む粗塩や天日塩は、複雑な旨味と甘味があり、おにぎりや焼き魚の振り塩に適する。吸湿して固まりやすい場合は、粒子が細かくサラサラした「焼き塩」や「食卓塩」を選択すると利便性が高い。
下処理
食材に直接振る「振り塩」は、肉や魚の水分を出し、身を引き締めるとともに臭みを除く効果がある。また、野菜の「塩揉み」は細胞壁を壊して味の浸透を早める。パスタ等の茹で湯に加える際は、沸点上昇と食材への下味付与を目的とする。
保存方法
塩自体は無機質であり腐敗しないため、賞味期限の表示義務はない。保存時は湿気を避け、臭い移りを防ぐため密閉容器に入れる。固まった場合は、フライパンで軽く煎るか、崩して使用しても品質上の問題はない。
時期・特徴
国内分布
兵庫(赤穂)、岡山(玉野)、徳島(鳴門)、香川(坂出)、長崎(西海)などの大規模工場のほか、沖縄、伊豆大島、能登など各地の沿岸部で特色ある製塩が行われている。
時期
通年
栄養
成分表示の主軸は塩化ナトリウム。製法によりマグネシウム、カルシウム、カリウム等の微量ミネラル含有量が異なる。イオン交換膜法で精製された塩は塩化ナトリウムが99%以上を占め、その他のミネラルはほとんど含まれない。
特徴
原料は海水、岩塩、湖塩(鹹湖)の3種に大別される。日本国内では岩塩や塩湖が存在しないため、海水を原料とするのが一般的である。かつての専売制時代はイオン交換膜法による精製塩が主流であったが、現在は輸入天日塩を溶解・再結晶させたものや、古来の平釜製法を用いたものなど多種多様である。塩味を付けるだけでなく、防腐作用、タンパク質の凝固促進、変色防止などの化学的機能も持つ。
品種・由来
- 品種名:精製塩、粗塩、天日塩、岩塩、湖塩、焼き塩
- 分類:調味料(無機化合物)
- 学名:Sodium chloride(塩化ナトリウム)
由来
古代より生存に不可欠な物質であり、貨幣と同等の価値を持っていた。英語の「Salary(給料)」がラテン語の「salarium(塩代)」に由来するのは、古代ローマ兵士に給与の一部として塩が支給されていたためとされる。
伝来
日本では縄文時代から土器で海水を煮詰めて製塩していた形跡がある。その後、万葉集にも詠まれる「藻塩(海藻を焼いた灰から抽出)」から、奈良時代の「揚浜式塩田」、江戸時代の「入浜式塩田」、昭和中期の「流下式塩田」へと効率化が進み、1972年(昭和47年)頃には「イオン交換膜法」が確立された。
歴史背景
1905年(明治38年)に日露戦争の戦費調達を目的として「塩専売法」が施行された。以後、長らく日本専売公社が管理していたが、1985年の民営化(日本たばこ産業)を経て、1997年(平成9年)に専売制が完全に廃止。2002年(平成14年)からは販売が自由化され、多様な塩が市場に並ぶようになった。
備考
「食用塩公正競争規約」に基づき、原材料や製法(「工程」として表示)の明記が義務付けられている。「天然塩」「自然塩」「ミネラル豊富」といった消費者に誤認を与える不当な表示は禁止されており、適正な表示基準を満たした製品には「公正」マークが付与される。

