選び方・調理法
選び方
豆の表面に白い「被り(かぶり)」と呼ばれるアミノ酸の結晶や菌糸が均一に回っており、容器の中で豆がふっくらとしているものを選ぶ。賞味期限が近づくと発酵が進み、アンモニア臭が強くなったり、シャリシャリとした食感(チロシン)が出たりする場合があるため、鮮度を確認する。
下処理
特に必要ないが、糸を引く粘り成分(ポリグルタミン酸)は、混ぜる回数が多いほど旨味成分が引き出され、舌触りが滑らかになるとされる。
保存方法
冷蔵庫(10°C以下)で保存する。発酵食品ではあるが、時間が経つほど再発酵が進み品質が変化するため、早めに消費するのが望ましい。長期保存する場合は、乾燥を防ぐため密閉して冷凍保存も可能である。
時期・特徴
国内分布
日本全国。古くは東日本や九州の一部で消費が盛んであったが、現在は全国的に普及している。特に茨城県、福島県などの生産・消費が盛んである。
時期
通年。かつては原料の収穫後、藁(わら)の確保が容易な冬から春にかけてが旬とされていた。
栄養
タンパク質、食物繊維、鉄分、ビタミンB群が豊富。特に血液凝固に関わるビタミンK2を非常に多く含む。また、血栓溶解酵素であるナットウキナーゼを含有し、健康維持に寄与すると言われている。※ワーファリン服用者はビタミンKの摂取制限があるため注意が必要。
特徴
煮た大豆を納豆菌によって発酵させた食品。特有の強い発酵臭と、糸を引く強い粘り気が最大の特徴。大豆のタンパク質が分解されて生成されるアミノ酸により、濃厚な旨味を持つ。
品種・由来
- 品種名:丸大豆納豆(極小粒、小粒、中粒、大粒)、ひきわり納豆
- 分類:豆類加工品(発酵食品)
- 学名:Bacillus subtilis var. natto(納豆菌)
由来
寺院の「納所(なっしょ)」で作られた豆から「納豆」と名付けられたとする説が有力。「納豆と豆腐の漢字が逆である」という説は、巷間でよく語られる俗説であり、歴史的な文献による裏付けはない。
伝来
糸引納豆の起源には諸説あるが、後三年の役(1083年頃)において八幡太郎義家の軍勢が、馬の飼料である煮豆を藁で包んで運んでいたところ、馬の体温で発酵して納豆になったという伝説が各地(秋田、茨城など)に残る。
歴史背景
大豆発酵食品の原型は中国大陸から東アジア、東南アジア一円に伝播した。中尾佐助(1972)によれば、これらが各地の環境に適応し、ジャワのテンペ、ヒマラヤのキネマ、日本の納豆といった独自の無塩発酵大豆文化を形成したとされる。
備考
伝統的な「藁苞(わらづと)納豆」は、藁に付着している天然の納豆菌を利用するが、現在の市販品の多くは、純粋培養された納豆菌を散布して製造されている。

