選び方・調理法
選び方
表面が乾燥しており、ベタつきがないもの。色が均一で、特有の芳香が強いものを選ぶ。国産の黒砂糖は、島ごとの土壌や製法によって塩味や苦味、風味が異なるため、用途や好みに合わせて産地を選択する。
下処理
塊状のものは包丁で刻むか、おろし金で削って使用する。煮込み料理に使用する際は、そのまま投入しても溶けるが、粒子を均一にしたい場合は少量の水で煮溶かして「黒蜜」の状態にしておくと混ざりやすい。
保存方法
吸湿性が高く匂い移りもしやすいため、密閉容器に入れて常温で保存する。乾燥しすぎると硬くなり、湿気が多いとカビの原因となるため、直射日光や高温多湿を避ける。長期保存で色が濃くなることがあるが、品質には問題ないことが多い。
時期・特徴
国内分布
沖縄県(多良間島、小浜島、西表島、波照間島、与那国島、伊平屋島、粟国島、伊江島の沖縄「八離島」が主)、鹿児島県(奄美大島、徳之島、喜界島など)。輸入はタイ、フィリピン、オーストラリア、南アフリカなど。
時期
通年流通。原料となるサトウキビの収穫および製糖時期は、主に12月から翌年4月頃にかけて行われる。
栄養
精製されていないため、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル、およびビタミンB1、B2、B6を上白糖よりも豊富に含む。ただし、一度に摂取する糖分量としての栄養価を考慮すると、これのみで一日に必要な栄養素を補うのは現実的ではない。
特徴
サトウキビの絞り汁をそのまま煮詰め、不純物の除去を行いながら濃縮・冷却して作る「含蜜糖」の一種。ショ糖分は約80%以上とされる。独特の強い風味とコク、渋み、塩味、苦味を併せ持つ。消費者庁の指針により、サトウキビの絞り汁のみを原料としたものを「黒糖」「黒砂糖」と呼び、粗糖や糖蜜をブレンドしたものは「加工黒糖」として区別される。
品種・由来
- 品種名:黒砂糖(別名:黒糖)
- 分類:調味料(含蜜糖)
- 学名:Saccharum officinarum(原料:サトウキビ)
由来
サトウキビの汁を煮詰めた際、糖蜜分が分離されず残ることで黒褐色を呈することから「黒砂糖」と呼ばれる。英語圏では伝統的な非精製糖を「Muscovado」と呼称する。
伝来
日本へは、754年に唐の僧・鑑真が持参したのが最初とされる。当初は食品というよりも貴重な薬として扱われていた。
歴史背景
室町時代までは中国からの輸入に頼っていたが、江戸時代の1610年に、奄美大島の直川智(すなおかわち)が中国(琉球経由)から製糖技術を持ち帰り、国内での製造が始まったとされる。その後、薩摩藩の独占事業となり、重要な財源となった。一般の食卓に広く普及したのは、明治時代以降の製糖工業の発展以降である。
備考
「黒砂糖」と「黒糖」は同義。沖縄県内では、産地ごとの個性を生かした「お茶請け」としても親しまれている。

