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いしる

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選び方・調理法

選び方

色が澄んでいて濁りが少なく、深みのある琥珀色や赤褐色をしているものを選ぶ。ラベルを確認し、原材料が「魚介類と食塩のみ」で、保存料や着色料が無添加のものが伝統的な製法に近い。原料(イワシ、サバ、イカなど)によって風味が異なるため、用途に合わせて選択する。

下処理

調味料としてそのまま使用するため、特別な下処理は不要。塩分濃度が15〜20%程度と高いため、醤油の代用として使う際は少量ずつ加え、味を見ながら調整する。加熱することで独特の生臭みが消え、香ばしさとコクが引き立つ性質がある。

保存方法

直射日光を避け、常温の冷暗所で保存可能。ただし、開栓後は香りの飛散や酸化を防ぐため、冷蔵庫での保管が望ましい。塩分濃度が高いため腐敗しにくいが、長期間放置すると沈殿物(オリ)が出ることがある。

時期・特徴

国内分布

石川県能登半島全域(輪島市、珠洲市、能登町、穴水町など)。秋田県の「しょっつる」、香川県の「いかなご醤油」と並び、日本三大魚醤の一つに数えられる。

時期

通年(仕込みは原料魚の旬に合わせるが、製品は通年流通する)。

栄養

発酵の過程で魚のタンパク質が分解され、グルタミン酸などのアミノ酸が豊富に含まれる。微量元素として亜鉛、セレン、ビタミンB12、パントテン酸などを含む。血圧抑制効果が期待されるペプチド成分も研究されているが、ナトリウム含有量が多いため、過剰摂取には注意が必要。

特徴

能登半島で古くから伝わる伝統的な魚醤油。魚介類の内臓や身に約30%の塩を加え、1〜2年(長いものは3年)かけて自然発酵・熟成させた上澄み液である。主な原料は、外浦(日本海側)ではイワシやサバ、内浦(富山湾側)ではイカの内臓が用いられる傾向にある。独特の重厚な旨味と、発酵由来の複雑な香りが特徴。

品種・由来

  • 品種名:いしる / いしり(魚醤油)
  • 分類:発酵調味料
  • 学名:—

由来

「魚(いお)」の「汁(しる)」が転じて「いおしる」→「いしる」になったとされる。また、イカを原料とするものを「いしり」と呼ぶのは、イカの「血(ち)」や「しり(後部)」から転じたという説や、地域的な方言の差(内浦での呼称)とされる説がある。

伝来

能登半島における魚醤の歴史は古く、平城京跡から出土した木簡に「鰒(あわび)の楚割(すあわび)」などの記述があることから、奈良時代以前から魚介の塩蔵・発酵技術が存在していたと考えられている。

歴史背景

もともとは漁村の各家庭で、売り物にならない端材や内臓を活用する自給自足の保存食として作られていた。1950年代頃までは自家醸造が一般的だったが、生活スタイルの変化とともに水産加工業者による生産が主流となった。近年は能登の「里山里海」が世界農業遺産に認定されたこともあり、伝統発酵食品として再評価されている。

備考

代表的な料理に、ホタテの殻を鍋にする「貝焼き(かいやき)」、野菜や豆腐を煮込む「いしる鍋」がある。隠し味としてカレー、パスタ、チャーハンなどに少量加えると、ナンプラー(タイ)やニョクマム(ベトナム)に近いエスニックなコクを加えることができる。

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