選び方・調理法
選び方
酸化に極めて弱いため、遮光性の高い黒や茶色のガラス瓶、またはアルミ蒸着袋などに入ったものを選ぶ。低温圧搾法(コールドプレス)で抽出されたものは、熱による変質が少なく風味が良い。賞味期限が長く残っている新鮮なものを選び、使い切れる小容量サイズを購入するのが望ましい。
下処理
加熱すると特有の生臭さ(戻り臭)が発生し、栄養成分である$alpha$-リノレン酸も酸化・分解されるため、原則として加熱調理には用いない。仕上げのソースとして、あるいはドレッシングや和え物など、食べる直前に生のまま振りかける。
保存方法
開封前・開封後を問わず、直射日光を避けた冷暗所(可能であれば冷蔵庫)で保存する。空気に触れると急速に酸化が進むため、使用後はすぐに蓋を閉める。開封後は1ヶ月程度を目安に使い切る。
時期・特徴
国内分布
原料となる亜麻は、国内では主に北海道(当別町など)で栽培されているが、国内流通している亜麻仁油の原料の多くはカナダやカザフスタン、中国等からの輸入に依存している。
時期
通年入手可能。
栄養
必須脂肪酸であるalpha-リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)を約50〜60%と非常に豊富に含む。体内で一部がEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換され、血流改善や生活習慣病の予防効果が期待される。食物繊維やリグナン(ポリフェノールの一種)も含むが、油として精製された状態では主に脂質成分が主体となる。
特徴
アマ科の一年草「亜麻」の成熟した種子(仁)から採取される。独特のわずかな苦味と、ナッツのような香ばしい風味を持つ。空気中で完全に固まる「乾性油」の代表格であり、その性質から油絵具の展色剤、木材の保護塗料、リノリウムの原料といった工業用途でも古くから重用されている。
品種・由来
- 品種名:アマ(亜麻)
- 分類:アマ科アマ属
- 学名:Linum usitatissimum
由来
亜麻の種子(仁)を原料とする油であることから「亜麻仁油」と呼ばれる。英語の「Flax(フラックス)」は植物としてのアマを指し、その種子を「Linseed(リンシード)」と呼ぶ。
伝来
日本には江戸時代に享保の改革の一環として薬用目的で中国から伝来した。明治時代以降、繊維利用を目的に北海道で本格的な栽培が始まった。
歴史背景
人類最古の栽培植物の一つとされ、古くは古代エジプトでミイラを包むリネン(亜麻布)として利用されていた。食用としての歴史も古いが、中世ヨーロッパ等ではその粘性を活かし、卵が貴重だった時代に焼き菓子のつなぎ(卵の代用品)として、水と混ぜた亜麻仁が使われることもあった。
備考
健康維持に寄与する一方で、1gあたり約9kcalのエネルギーがあるため過剰摂取には注意する。また、酸化した油の摂取はかえって健康を損なう恐れがあるため、風味に違和感(古い油の臭いや強い苦味)を感じた場合は使用を控える。

